第6回WBCに出場した日本代表は準々決勝で敗れ、NPBに所属するメンバーたちは16日に帰国した。

 大会連覇を目指した侍戦士たちは、14日(日本時間15日)にマイアミで行われたベネズエラ戦に5―8で敗北。3回終了時で3点をリードしたが、5回に登板した隅田知一郎投手(26=西武)はガルシア(ロイヤルズ)に追撃の2ランを浴び、続く6回から登板した伊藤大海投手(28=日本ハム)がアブレイユ(レッドソックス)に痛恨の逆転3ランを食らった。

 現役時代に中日のエース、MLBではブレーブスで活躍した川上憲伸氏(50)は、16日に放送されたTBS系「ゴゴスマ~GOGO Smile~」に出演。自身も伊藤や隅田と同じく本来は先発ながら、2008年の北京五輪では中継ぎで起用され、3位決定戦で敗戦投手となった苦い経験もある。

 川上氏は先発がリリーフに回ることに「すごく難しい」と断言し「スターター(先発)は何となく(ストライク)ゾーン勝負をしてファウルを打たせたり、3打席回ってくるからいろんなエサをまく。体力を温存して勝負していくというところなんですけど、こういう場面でいくピッチャーは普段やっていない全力投球をやっていく。初球からベストピッチしていくので最終的には投げる球がなくなっていくというのが、ちょっとヤバいかなというのがある」と投手心理の違いを指摘した。

 また「何より難しい」としたのが、起用された場面だった。伊藤と隅田が登板したのはいずれも味方がリードした展開。川上氏は「同点とか負けているならまだいいんですけど、勝っているのを守らなきゃいけない。普段そういう野球をしていないので。これを国を背負ってやらなきゃいけないとなると、僕も経験あるんですけど、普段じゃない自分がマウンドにいる」と思いを代弁した。

 先発であれば長いイニングを想定してペース配分を考え、ギアの上げどころも自分次第となる。だが、救援では短いイニングが持ち場となり、配分を気にすることなく最初から最後までフルスロットルで抑えにいかなければならない。

 川上氏は伊藤がピッチクロック違反で1ボールを取られたことも踏まえ「本来、ちょっと間を置いて自分のペースに持っていきたいと思うんですけど、ダメだダメだという。自分のペースじゃない、自分じゃない呼吸で投げなきゃいけない。本当はボールにしなきゃいけないんだけど、ストライクを投げようとか。何か中途半端な気持ちが出てしまうんじゃないかな」と読み解いた。

 侍ジャパンにとってはWBC史上初めてベスト4進出を逃す形となったが、今回の敗退も世界一奪回への糧にしたいところだ。