新日本プロレス14日名古屋大会の「NEW JAPAN CUP(NJC)」2回戦で、海野翔太(28)が極悪軍団「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」の高橋裕二郎(45)を下し準々決勝(17日、福島)に進出した。

 少年時代に裕二郎とキャッチボールをした思い出が忘れられない海野は、前哨戦を通じてグローブを差し出し憧れた〝兄貴分〟に戻るよう呼びかけていた。すると決戦前日の13日大阪大会で裕二郎もグローブを受け取り「全部思い出しちゃったよ」と、悪に染まって久しい男とは思えない晴れやかな表情を浮かべていた。

 迎えたこの日の公式戦に、裕二郎はグローブを持参して入場。H.O.TのTシャツを脱ぎ捨てるとクリーンファイトを展開し、ディック東郷と金丸義信が介入しようとしても「今日は2人でやらせてくれ」と追い返すひと幕まであった。

 大感激の海野も目を輝かせながら「やりましょう」と応じ、真正面から激しいエルボー合戦を展開。インカレスラム、マイアミシャインとかつての裕二郎の得意技を浴びながらも、ニーアタックを連発して反撃に転じていった。

 ところがそんな正攻法の戦いは15分ももたずに終わりを告げる。やはり裕二郎は裕二郎だった…。ラリアートをかわされた海野は、レフェリーの目を盗んでの唐突な急所攻撃にもん絶。さらにこのタイミングで東郷、金丸、チェーズ・オーエンズが乱入し、数的不利の戦いを強いられた。

 ピンプジュースまで決められ絶体絶命の窮地に陥ったが、BIG JUICEだけは許さない。またも介入してきた東郷と金丸の同士討ちを誘発し、オーエンズはスイングDDTで排除に成功する。裕二郎のケイン攻撃も決めさせず、強烈なラリアートを発射。最後はSecond Capter(変型フィッシャーマンズバスター)で3カウントを奪ってみせた。

高橋裕二郎の胸元に思い出のグローブを乗せる海野翔太
高橋裕二郎の胸元に思い出のグローブを乗せる海野翔太

 まんまと裏切られた海野だったが、試合後のリング上では横たわる裕二郎の胸にグローブを置いて座礼。「俺は裕二郎お兄ちゃんがどんな道を進もうと、否定する気は1ミリもない。でもほんの少しでも熱いものを秘めてるなら、俺はいつでもウエルカムだ」と呼びかけつつ「俺は試合を通じて裕二郎お兄ちゃんとキャッチボールができた。次のステップは何だ? もう一度大人になった海野翔太が描いてる通り、物理的にまたキャッチボールできればいいですね。でもあのころと変わらない、強くて、カッコ良くて、優しい裕二郎お兄ちゃんが見れたから、ありがとうございました」とつかの間の〝再会〟を喜んでいた。