まさに〝千両役者〟だ。大谷翔平選手(31=ドジャース)の先制グランドスラムで勢いに乗った侍ジャパンがWBC初戦となる6日の台湾戦(東京ドーム)に13―0で7回コールド勝ち。2度目のWBC連覇に向けて最高のスタートを切った。

 大谷の一振りが日本列島を興奮の渦に巻き込んだ。「1番・DH」で先発出場した大谷の第2打席は2回一死満塁の先制機。台湾の先発右腕・チェン・ハオチュンが投じた2―1からの4球目、124キロのカーブを少し泳ぎながらも振り抜くと、高々と舞い上がった打球は右翼席へドスン!「打った瞬間入るなと思った。先制点をどうしても取りたいという気持ちだった。外野フライでもいいので1点まず取りたいなと思った」。大谷が放った侍ジャパン第1号が一挙4点をもたらした。

「WBCは球団のファンとか関係なく日本代表として野球ファンの方たちが一つになれる機会だと思う」。5日に行われた記者会見でこう語っていた大谷だが、いきなり〝満塁弾〟で日本列島を一つにした。三塁ベースを回ると新たな侍ジャパンのセレブレーションポーズとなった「お茶たてポーズ」を披露。「北山君が一生懸命かんがえてくれたので、今後も続けられるようにしたい」。ベンチの侍ナインたちも呼応し、ドームのボルテージは最高潮に達した。

 大谷の満塁弾をきっかけに侍打線は大爆発。この回、吉田(レッドソックス)、村上(ホワイトソックス)、源田(西武)、若月(オリックス)にもタイムリーが出て、さらに二死一、三塁で大谷に3打席目が回ってきた。ここでもきっちりと右前にはじき返しついに10点差。第1打席で右翼線二塁打を放っていた大谷はこの時点で3安打5打点。サイクル安打に王手をかけた。

 侍打線は3回にも岡本、源田のタイムリーで3点を加えて13―0と大量リード。先発・山本由伸投手(27=ドジャース)は台湾打線をノーヒットに抑えながらも3回に味方の失策と2四球で二死満塁となったところで2番手・藤平(楽天)に交代。昨年のワールドシリーズMVP右腕の初マウンドは2回2/3を投げて無安打3四球無失点だった。

 山本―藤平―宮城(オリックス)―北山(日本ハム)―曽谷(オリックス)が無失点リレーでつなげば、打線は13安打13得点と侍ジャパンは投打ともに盤石で規定により7回コールド勝利。グランドスラムを含む4打数3安打5打点と大活躍の大谷がお立ち台で「厳しい戦いが続くと思いますけどファンの方とチーム一丸となって球場全体で盛り上げていただければ励みになるのでよろしくお願いします」と呼び掛けると満員(4万2314人)のスタンドからは大歓声が送られた。