タイガースが、ついに「売り手」へ追い込まれようとしている。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は米国時間20日(日本時間21日)、タイガースが左腕エース、タリク・スクバル投手(29)のトレードを真剣に検討すべきだと異例の進言を行った。

 チームは19日(同20日)のガーディアンズ戦に3―4で敗れ、20勝29敗。直近14試合で2勝12敗と急失速し、ア・リーグ中地区首位から7・5ゲーム差、ワイルドカード圏内からも3・5ゲーム差に沈んでいる。

 スクバルは今季7試合で3勝2敗、防御率2・70、43回1/3で45奪三振。2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた球界屈指の投手だが、6日(同7日)に左ヒジの遊離体を除去する手術を受けた。すでにブルペン投球を再開し、早期復帰へ前進しているとはいえ、先発投手が低迷するチームを救えるのは基本的に5日に1度。フランバー・バルデス投手(32)、ジャック・フラハティ投手(30)、ケーシー・マイズ投手(29)らを抱えながら崩れている現状は深刻だ。

 最大の問題は契約である。スクバルは今季終了後にFAとなる見込みで、このまま反攻に転じられなければ、タイガースは最高級の交換価値を持つ左腕を無償で失う危険を抱える。8月3日(同4日)のトレード期限までに巻き返せなければ、決断を先送りする余裕はない。

 有力候補の筆頭は、やはりドジャースだ。19日(同20日)のパドレス戦に5―4で勝ち、30勝19敗でナ・リーグ西地区首位に浮上。ブレイク・スネル投手(33)が故障者リスト入りし、エリック・ラウアー投手(30)も獲得済みで、先発補強の必要性は消えていない。スクバルが加われば大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)らを擁する豪華ローテーションは一段と異様な厚みを増す。

 同地区2位のパドレスも同日時点、29勝19敗でドジャースを0・5ゲーム差で追う。優勝候補でありながら先発陣には不安が残り、宿敵を上回る一手としてスクバルはこれ以上ない切り札になる。そして意外な存在なのがア・リーグ東地区のレイズだ。32勝15敗でア・リーグ最高勝率を誇り、同地区トップを快走中。投手の能力を引き出す手腕にも定評がある。長期契約の重荷を背負わず、今季勝負の一点買いとしては理にかなう。

 タイガースが沈めば沈むほど、スクバル市場は熱を帯びる。復帰を待つだけでは、もはや遅いのかもしれない。