勢いだけでは、長い夏は乗り切れない。カブスの首位戦線に、早くも危うさがにじんできた。

 米有力紙ニューヨーク・タイムズ傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は20日(日本時間同日)、不安定な戦いが続くカブスの現状を特集した。クレイグ・カウンセル監督(55)率いるチームは19日(同20日)の本拠地リグレー・フィールドでのブルワーズ戦に2―5で敗戦。24歳の怪物右腕ミシオロウスキーに6回3安打無失点、8奪三振と封じられ、打線は13三振。8回に鈴木誠也外野手(31)の適時打などで2点を返すのが精いっぱいだった。

 カブスは同日現在、29勝20敗でナ・リーグ中地区3位へ転落。2位カージナルスとはゲーム差なしながら勝率で下回り、この日の直接対決で敗れたブルワーズには首位の座を明け渡したとはいえ0・5ゲーム差の大混戦となっている。見た目の位置は悪くない。だが、内容は胸を張れるものではない。

 一時は2度の10連勝を飾り、本拠地でも15連勝を記録した。8日(日本時間9日)のレンジャーズ戦を7―1で制した時点では、独走気配すら漂った。ところが直後にレンジャーズ相手に0―6、0―3と連続完封負け。12日(同13日)、13日(同14日)のブレーブス戦も2―5、1―4で落とし、15日(同16日)のホワイトソックス戦に10―5で勝った後は、16日(同17日)から4連敗。ここ9試合で2勝7敗まで落ち込んだ。

 投打の日本人主軸も踏ん張っている。今永昇太投手(32)はここまで4勝4敗、防御率3・38、61奪三振。鈴木は打率2割7分3厘、7本塁打、18打点、OPS・832と中軸の役割を果たす。ただ、今永は18日(同19日)のブルワーズ戦で4回1/3を9安打8失点と崩れ、チーム全体の揺らぎを象徴する登板にもなった。

 同メディアは、主力投手の離脱でローテーションの穴埋めがブルペンに負担をかけ、日々の継投判断が重くなっている点も指摘する。19日のブルワーズ戦で4回にPCAことピート・クロウ=アームストロング外野手(24)が犯した凡飛落球も、今の停滞感を映す場面だった。

 カブスは数字上、まだ優勝争いの真っただ中にいる。ただ、10連勝を2度も経験しながら小規模市場のブルワーズを突き放せず、逆に追い落とされた事実は重い。今永と鈴木の奮闘だけで埋め切れない不安定さ。首位0・5差の3位は、V争いの好位置であると同時に失速と背中合わせの危険な予兆でもある。