【取材の裏側 現場ノート】巨人・戸郷翔征投手(26)が開幕二軍スタートの出遅れから、今季3度目の登板で今季初白星を挙げた。19日のヤクルト戦(いわき)で7回無失点。試合後には「今までたくさん迷惑をかけたので、1イニングでも長く、1球でも多くと思っていました」とはにかみながら振り返った。
ようやく復活星を挙げた戸郷の声を直接聞くべく、多くの報道陣が詰めかけた。普段は中継局による代表質問で終わるテレビ局の囲み取材も、複数社が質問攻め。宿舎に戻るチームのバスが出発する時間が迫る中でも、テレビ局の質問が終わった後に行われた新聞社などの取材まで、約10分間にわたって1問ずつ丁寧に答えていた。
しかも東京ドームではなく頻繁に訪れることがない球場。地元メディアからはマウンドで投げた感想も聞かれ「本当にいい球場でしたね。いわきのファンの方に1勝を届けられたというのもそうですし、また来た時に投げて勝てれば一番かなと思います」とリップサービスも惜しまなかった。
なかなか一軍の舞台に戻れず、歯がゆさを抱えていたであろう二軍再調整。そんな時でも報道陣の取材に正面から向き合っていた。調子が上がらない、結果が伴わない時でもまるで姿勢が変わらないため「どうしていつもそんなにしゃべってくれるのか」と率直な思いをぶつけたことがあった。
「もともとしゃべるのが好きなのもありますけどね。巨人軍の選手としてお給料をもらっている以上、取材に応えることも仕事の一つ。伝えた言葉が新聞やテレビを通してファンの方に届くわけですから。でも、いつか自分も年をとったら気難しくなってしゃべらなくなる日が来たりしてね(笑い)」
ジョークを交えて答えてくれた戸郷には畏敬の念すら覚えずにいられなかった。26歳にして伝統球団・巨人のエースという大看板を背負う男。その立ち振る舞いにプロ野球選手・戸郷翔征の矜持が少し見えた気がした。
(巨人担当・熊沢航平)












