本格的な実戦開始直前にネジを巻いた指揮官の思いとは――。沖縄・那覇でキャンプ中の阿部巨人は21日からオープン戦・ヤクルト戦(那覇)に突入。シーズンに向けて本格的に実戦をスタートさせる。

 2年ぶりのリーグ優勝、14年ぶりの日本一へ向け第5クール初日となった19日には阿部慎之助監督(46)が練習前、ナインに訓示。「試合が始まって『結果、内容だ』と言っているけど、みんな自分の立場と役割を十分に把握してくれ」。一見、厳しい言葉に捉えられるかもしれないが、これは期待の裏返しだった。

 若手選手の一人は「(阿部監督の)言葉一つひとつにとても気持ちが入っていました。やるべきことっていうのをもっと明確に細かく突き詰めていかないと」と熱い気持ちを受け止めていた。

 なぜ阿部監督はこの時期にハッパをかけたのか。指揮官の懐刀・橋上秀樹オフェンスチーフコーチ(60)は、「チームにおける自分の『特性』は何かと考えながら練習し始めると、それぞれの練習内容が随分変わってくるはずなんです。でもみんな横並びで同じような練習をやっているというところを見ると、まだまだそういったものに気づけていない選手も多いのかなっていうところだと思います」とその意図を分析。用意された練習だけではなく、現在のチーム内で自分がどの「タイプ」かを考え、プラスアルファの練習に取り組む重要性を説いた。

 そのためにはまず「己を知る」ことが大切だという。「自分が目指すべき選手像をしっかり描かないと、やっぱり正しい努力にはつながらない。だからこそ監督は己の『特性』を知ることで野球人としての寿命を伸ばすんだよっていうことも伝えたかったのではないかなと思います」(橋上コーチ)

 今の巨人は伸び盛りの若手が中心を担う。チームとして前進するだけではなく、個々の選手の将来性を意識付けるための〝熱弁〟だったようだ。