就任2年目の巻き返しはなるか――。西武・西口文也監督(53)を本紙専属評論家の伊原春樹氏が訪問。オフに10年ぶりとなる野手のFA補強を行った古巣の現状と、昨季5位からの浮上の可能性を探った。伊原氏が出した結論は「Aクラス」浮上だった。

【新鬼の手帳・伊原春樹】西口監督に会うためキャンプ地の宮崎・南郷に足を向けた。指揮官は「わざわざありがとうございます」と笑顔で出迎えてくれた。

 私の西武監督1年目となった2002年に15勝を挙げ、リーグ優勝に貢献してくれたのが西口監督だ。期待を込めて見守った1年目は、63勝77敗3分けで首位ソフトバンクと24・5ゲーム差の5位となった。

 最下位だった24年の借金42からは、少し盛り返した。ソフトバンク、日本ハムの2強との力の差は誰の目にも明らかだろう。それもそのはずで新監督就任に際して、目立った補強は前オリックスのセデーニョ獲得ぐらいだった。

 だが西口監督2年目シーズンへ向け、球団は活発に動いた。来日1年目から日本球界にフィットし、4番を務めたネビンとは昨年6月に早々に契約を延長した。意気に感じたのか助っ人は打率2割7分7厘、21本塁打、63打点と結果を残したのが印象的だった。

 オフに入ってもWBC台湾代表主砲・林安可外野手(28)と2年契約を結ぶと、FAで日本ハムから石井一成内野手(31)、DeNAから桑原将志外野手(32)と野手2人を獲得。西武のFAによる野手の補強は実に10年ぶりで2人同時は球団史上初だそうだ。米大リーグ・アストロズに移籍した今井のポスティングマネーを見越しての補強だろうが、指揮官にとっては心強いものだったようだ。

FAで西武に加わった石井一成(左)、桑原将志
FAで西武に加わった石井一成(左)、桑原将志

 問題はエースが抜けた投手陣だ。今井と共に米移籍を目指した高橋光成投手(29)が残留となった。本人にとっては無念も、西口監督には計算できる投手の残留は朗報となった。

 それを踏まえて先発は昨季10勝(10敗)の隅田を中心に高橋、渡辺、與座、新外国人ワイナンスらで回すという。あとは23年以来の先発再転向となる前守護神・平良海馬投手(26)の活躍次第となるが、キャンプで左ふくらはぎを痛めWBC日本代表を辞退となってしまった。開幕までにどれだけ回復するかがカギとなりそうだ。

 もちろんVを狙う戦力としては、まだまだ十分とは言えない。それでも西口監督が二軍監督時代から育てた投手陣に得点力が加われば、4年ぶりのAクラスとなる3位は十分に狙えるだろう。(本紙専属評論家)