虎の独走を止められるのは竜か。沖縄・北谷で春季キャンプを行う中日・井上一樹監督(54)を本紙専属評論家の伊原春樹氏が直撃。昨季は23ゲーム差の4位に終わったが、セ・リーグ最速優勝を飾った阪神に13勝12敗で勝ち越して一矢報いた。球団は創設90周年のメモリアルイヤー。指揮官が〝虎狩り〟の鍵としたポイントとは――。

【新鬼の手帳・伊原春樹】今季最も気になるチームの一つが中日だった。青山学院大時代から「いい投手だ」と注目していた右腕・中西聖輝投手(22)がドラフト1位で入団した。

 さっそく井上監督に聞くと「中西はヘタしたら今チームいる投手陣より投球術を知っている。アマチュアとはいえ、光るものがある」と新人とは思えないポテンシャルを感じているようだった。

 2024年ドラ1の金丸夢斗投手(23)も昨季は15試合に登板して2勝をマーク。井上監督は「球はチームでナンバーワンだと思います。ただ去年、援護をできず、なかなか勝たせることができなかった。シーズン早めに1勝できていたら5、6勝はできていた。そういう時に限って点が取れなかった」と悔やんでいたが「その分、今年はあいつに勝ち運が回ってくるんじゃないかなと。(高橋)宏斗と金丸は同級生なので、競わせながら相乗効果が期待できる」と持ち前の「ポジティブ思考」で台頭を期待していた。

 昨季は阪神に大差をつけられての4位も、直接対決では意地を見せた。井上監督は阪神でヘッドコーチも経験しているだけに「結局、阪神の方が(中日を)嫌がっているのかもしれないですね」と笑ったのがなんとも印象的だった。

「投手力」で上回ることができれば、勝利の可能性はグッと高まる。井上監督は「阪神は野手も投手もメンバーがそろっているんですけど、何より故障者が出なくて、それがすごい」と虎のマネジメント力に舌を巻いていた。

 だが11日には昨季、53試合に登板した阪神の救援右腕・石井大智投手(28)が紅白戦で左アキレス腱を痛め長期離脱が決まった。とにかく一日でも早い回復を祈りたいが、まさに一寸先は闇と言えそうだ。

中日期待の新助っ人サノー
中日期待の新助っ人サノー

 昨季リーグワーストの403得点に終わった竜打線にも改善の兆しだ。岡林、上林、細川らの主軸に加え、新設されるホームランウイングを見越してメジャー164発のミゲル・サノー内野手(32)を獲得するなど、着実に手を打っている。

 サノーはどうか。井上監督は「パワーは間違いないです」と期待していたが、守備には難もあるそうで「願わくば今年からDHならいいなと勝手に思っています。不安要素があるとすれば守備」とも言っていた。

 セ・リーグは巨人は岡本(ブルージェイズ)、ヤクルトは村上(ホワイトソックス)と4番が抜けて昨季以上に苦しいチームが多い。前評判では阪神が圧倒的に有利だが、先発陣には「去年は金丸がモタモタしたけど、宏斗がWBCに行って(ローテが)空いたところにフィットしてくれれば。あとはベテランの大野、柳、外国人のマラーあたりがどれだけできるかですね」と計算を立てていた。

 井上監督が「ストップ・ザ・虎」の大本命となれるか注目したい。(本紙専属評論家)