【イタリア・ミラノ5日(日本時間6日)発】まさかの〝事件〟が判明した。

 ミラノ・コルティナ五輪の開幕式(6日=同7日)を前に大会組織委員会はミラノにある選手村のシャワー約70台が破壊されたと発表した。

 組織委員会やイタリア警察当局によると、昨年12月から今年1月中旬にかけて、選手村にある3棟の建物でシャワー70台が「破壊」されたという。改修工事が完了したあと、配管システムの点検中に1階天井から水漏れを検知。調査したところ、シャワー配水管に意図的に開けられた穴があることが判明した。警察は損傷を与えるためにさまざまな工具が使用されたとみている。

 警察当局は事件としてすでに監視カメラの映像をチェックするなど、本格的な捜査を開始し、ミラノ検察庁のテロ対策部隊も今回の捜査に加わっている。もともと選手村やその敷地内は関係者以外は立ち入り禁止。足を踏み入れるには特別なパスとQRコードが必要という。そのため、多くの選手たちがすごす施設のセキュリティーシステムにも大きな懸念が広がっている。

 フランス紙「パリジャン」は「五輪開幕の前夜に判明した悲惨な出来事」とし、今回の事件の詳細を報道。イタリア紙「コリエレ・デラ・セラ」は「オリンピック村の衛生施設、数十か所が被害」と伝えた上で選手村の建物や設備には被害を与えず、なぜかシャワーだけが狙われたことを〝謎〟と捉えて「ミステリー」と指摘。また各メディアによると、6日中にもシャワーの修理が行われるという。

 今大会では開幕を前にさまざまなトラブルやアクシデントが報じられている。アルペンスキーの行われるコルティナでは会場に観客を運ぶケーブルカーの完成が遅れ、競技開始に間に合わないことが判明。バスで代替輸送する方針だが、交通渋滞を緩和するため、近隣の学校に休校を要請し、住民らから不満の声が高まっている。

 またアイスホッケーの試合会場では工事が大幅に遅れ、会場内の施設は出来上がったものの、隣接する5階建ての駐車場が未完成となり、多くの観客をバス輸送することになった。またリンクは国際基準で設計されているものの、北米アイスホッケーリーグ(NHL)の基準よりも縦が1メートルほど短く、横は10センチほど長いことが判明し、物議を醸している。

 さらに地元では電力不足の懸念も指摘されている。実際に先行開幕(4日=同5日)となったカーリング混合ダブルスでは停電が発生。街中でも多くの場所で工事が行われているなど、競技関連の施設以外も未完成のものは多い。開幕を前にアクシデントやトラブルが相次いでいることに英紙「デーリー・メール」は「不吉な形で始まった」と報じ、先行きを不安視していた。