当欄では、基本的に国策をベースとした「長期的に株価上昇が見込めるテーマ」を紹介してきた。そのため、たとえば「フィジカルAI」のような、足元の相場で盛り上がっているテーマや、反対に目線が長期過ぎるテーマは取り上げないようにしている。そのテーマが長期にわたって業績拡大に貢献することが主軸であり、目線が先過ぎると業績への貢献度が見えてこないからだ。

 そういう意味で、これまで「核融合発電」は取り上げてこなかった。政府は、核融合発電について「2030年代に実証を目指す」としている。実用化が30年代前半なのか後半なのかによって、関連株への業績貢献の時期は大きく変わってくるわけだ。ただ、核融合発電スタートアップ企業の担当者によると、「すでに核融プラントの建設は始まっており、プラント建設や関連部品、素材は発注済みで、1号炉が完成して実際に発電が始まれば、核分裂に比べて安全性が高い核融合発電は世界中に広がる可能性がある」という。つまり、目先は業績への貢献度が小さくても、その後は5年、10年単位で貢献度が上昇していく可能性がある。

 足元では、原発再稼働が話題になっているが、実は既存の原発と核融合発電は核のエネルギーを利用する点では共通しているものの、中身は〝似て非なるもの〟であるため、関連株の顔ぶれは異なる。ただ、中にはこの両テーマにまたがっている銘柄もいくつかある。そこで、今回はこの両テーマに関連する銘柄を取り上げたい。目先は原発再稼働や新設、将来的には核融合発電を材料に買われる可能性がある銘柄ということだ。

 本命銘柄の一つとして挙げられるのは、熱制御システムを手掛ける助川電気工業(7711)で、同社は核融合炉のエネルギー変換システムに欠かせない「リチウム鉛」という液体金属を手掛ける。ただ、株価が高いのが難点だ。その点で、プラント建設の日揮ホールディングス(1963=2007円)は、両テーマに関連しているにも関わらず、現状の株価は2000円前後で買いやすい水準にある。

 核融合発電には、重工系企業がプラント建設で大きく関わる。そう考えると、三菱系の機械商社である西華産業(8061=2526円)の出番が増えそうだ。株価はジリ高基調が続いているが、いまだ割高感はない。核融合発電に関しては、原発では光を浴びなかった真空管や真空ポンプ、電源関連の銘柄が複数浮上することが予想されるため、今後も取り上げていくことになるだろう。(株価は20日終値)