ソフトバンクの小久保裕紀監督(54)が新春インタビューに応じ、新たなシーズンへの意気込みを語った。就任2年目の2025年シーズンはリーグ連覇、そして24年に果たすことのできなかった日本一を達成。ケガ人続出など幾度の難局を乗り越えて栄冠をつかみ取った。目指すは福岡移転後初となるリーグ3連覇。常勝軍団の礎をより強固なものにするための準備を進めている。

 シーズン序盤は最下位も経験するなど、1年目とは違う道のりで果たしたリーグ連覇。指揮官のタクトとチームの底力がもたらした結果だった。他球団は3連覇阻止へ、ますます「打倒ホークス」に勇んでくることが予想されるが、指揮官は先に目を向けるのは「26年型」の戦いだ。

 小久保監督 (他球団の包囲網は)25年シーズンはあまり感じなかったというか、自チームのことでそんな余裕がなかった。もちろん(26年シーズン)他球団は「打倒ホークス」で来るだろうけど、まずは自分のチームがどういう戦い方をするかを6月くらいまでに固める作業のほうが大事。

 25年は柳町、野村といった選手の台頭がチーム力の底上げにつながった。若手の有望株も多く名を連ねるホークス。来季のチーム構想について指揮官は改めて競争を促す。

 小久保監督 レギュラーは近藤と、体の状態次第で(周東)佑京、柳田でそれ以外は競争。(若手用に枠を)1つ空けてという考えはないかな。若手より中堅がしっかり数字を残して、空ける前に使わないといけない選手が生まれた。いきなりそこを飛び越えてということはない。

 新シーズンへのテーマは「一度壊す」。選手によってポジションの複数オプションを求めるなどすでにその一端が垣間見える。孫オーナーのもと「世界一の球団」を目指すホークス、その将として指揮官自身が変化を恐れない姿勢を貫く。

 小久保監督 この球団は(孫オーナーの)「目指せ世界一」という未来永劫変わらないスローガンのもとでスタートしている。進化するためには同じことをしていたら、失敗を恐れていたらダメ。トライアンドエラーのエラーに対して早めに修正をかけられる組織のほうが発展していくと思う。そこは僕自身が守りに入らないようにすることが大事。

 現存の球界の枠組みにとらわれず、何が組織にとってプラスに働くかを追求する。優勝パレードが行われた日、投手陣を集めて呼びかけたのはメジャーリーグでは一般的となっている「中5日」の可能性だった。

 小久保監督 基本的に来年は中5日もあり得るから先発はその準備をしてくれという話をしている。中6日が当たり前ではないと。(シミュレーションをして)メリットは正直あまりなかったが、交流戦あたりまでは(先発は1試合)100球前後で1か月くらい投げる、それだったら中5日でもいいんじゃないか。やるやらないは別にして、やるとなった時にできる準備をしておいてほしい。

 昨年12月には新たに今年からの3年契約を締結。28年までの「長期政権」でさらなる常勝化、城島CBOが掲げる「10連覇」に向けて碁盤を揺るがないものにしていく。その中で指揮官が思い描く理想の組織像とは。

 小久保監督 今は基本的には首脳陣で考えたことを下に伝える形が正しいと思ってやっているが、そのやり方にはおそらく限界がある。究極は監督が誰であろうと選手たちが自走していけること。そういう主になる選手たちが増えてくることによって、持続的に強いチームが可能になる。

 就任時から掲げる「王イズムの継承」。手本となる主力の背中を見た選手が成長し、新たな主となる。5年後、10年後に鷹が常勝軍団であり続けるため──。指揮官が見据えるのはリーグ3連覇の先にある景色のはずだ。