F1今季最終戦のアブダビ・グランプリ(GP、7日)で、レッドブルの角田裕毅(25)とランド・ノリス(マクラーレン)との間で起きた〝危険なバトル〟について、重鎮ギュンター・シュタイナー氏が角田にだけペナルティーが科された裁定は不当と糾弾した。

 角田は23周目に、同僚のマックス・フェルスタッペンとタイトル争いを展開していたノリスが急追してきたため、チームからブロックを指示された。だが両車の間にはかなりのスピード差があったため、角田は車体を左右に動かして進路を塞ごうと懸命のブロックを展開。するとノリスはイン側から、コースアウトの違反となる位置取りで角田を抜き去った。

 一歩間違えれば双方ともにクラッシュのリスクがあり大事故になった危険性もあり、直後に2人とも審議対象に。そして裁定は、禁止されている2度以上の進路変更を行ったとして角田に5秒のタイムペナルティーが科されたが、ノリスのコース外での追い抜きは、角田による危険走行を回避するためと判断され、おとがめなしとなった。

 この場面に関しては裁定の内容が大論争になっており、角田はレース後、再三にわたって不満を示すなど波紋が広がっていた。

 そうした中で、ハースなどを率いた名将のシュタイナー氏は、この処罰を「不必要だ」と断じた。ポッドキャスト番組「レッドフラッグス」に出演した際にこの件に言及。「このブレーキング中の動きは、アブダビでは流行になっている」と角田が行ったドライビングは他のドライバーでも見られると指摘する。

 そして「何も起こるべきではない。これがレースだ。我々が見たいもの、観客が見たいもの、ファンが見たいもの…罰金を科して注目を集めることで、スチュワードが人々の人気を得るのを見たくない」とドライバーの白熱したバトルを裁定委員の恣意的なジャッジが妨げ、F1の魅力を削ぎ落していると批判した。

 重ねて「いや、あれはフェアなレースだった。ユウキは限界ギリギリの状態でやったんだと思う。ランドも限界ギリギリだった。全てうまくいった。良いレースの瞬間を味わえたよ」と正当なバトルだったと主張。「もし彼がこういったことを全部やめたら、一体誰がレースを見るんだ。そう私は言い続けてきた。彼らはスチュワードとして注目されたいだけ」と裁定委員を非難した。

 角田に対するペナルティーは不当だったのか。今後も議論は続きそうだ。