火の玉指揮官が、ナインの〝内向きルーティン〟に鋭く切り込んだ。史上最速でのリーグ優勝を成し遂げた阪神を率いる藤川球児監督(45)が16日に「リーグ優勝記念チャーター出発式」に出席。首脳陣や選手、球団スタッフ、家族ら約240人とともに、大阪・関西国際空港から米国・ハワイへと旅立った。

 指揮官は南国でのV旅行を前に、海外で自主トレーニングを行う選手たちの姿勢に理解を示す一方、伸び悩む選手に共通する〝ある傾向〟についても言及した。今季40本塁打、102打点で打撃2冠に輝いた佐藤輝明内野手(26)は、すでに米国で自主トレを行っており、ハワイでチームに合流する予定だ。

 藤川監督は「短期留学みたいなもんだよね。環境を少し、部屋を変えるというかね。トレーニングに行ってるように見えるけど、自分の心を癒やしに行く場所なんだと思いますよ」と語り、海外で過ごす時間の意味を説いた。

関西空港でV旅行出発式に出席した阪神・藤川監督(中央左)、粟井社長(同中)、村上頌樹(同右)
関西空港でV旅行出発式に出席した阪神・藤川監督(中央左)、粟井社長(同中)、村上頌樹(同右)

 自身も現役時代にレンジャーズ、カブスでプレーし、MLB挑戦前のオフにはロサンゼルスで自主トレを積むなど、数々の〝武者修行〟を経験してきた。「空気を変えるというね。そこで身につくことはあると思いますけどね」と、異国の地に身を置く価値を強調する。

 技術向上だけでなく、人としての成長も重要だという。「人生は長いんでね。いろいろ行けるところに行って、トレーニングを通じて人と交流してね。違う文化で交流すれば、キャパが広がって落ち着いた人格になるでしょうしね」(藤川監督)

 その流れで話題は、日常の過ごし方へと及んだ。行動範囲を広げる選手たちについて「タバコも吸わないし」と触れた上で「タバコを吸う選手は多分、タバコ部屋とそこの繰り返しだから伸びない。まあまあそういうもんじゃない?」と持論を展開。嗜好の是非を問題視したのではなく、同じ場所、同じ人間関係の中にとどまり続ける〝閉塞的な生活〟への警鐘と受け取れる発言だった。

 就任時から一貫する火の玉哲学は、史上最速Vを成し遂げた今も揺るがない。現状に満足せず、来季は2リーグ制後初の連覇に挑む――。藤川監督の言葉は、虎ナインに向けた明確なメッセージとなっている。