阪神は3日に兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、中野拓夢内野手(29)が昨季年俸1億4500万円から倍増以上となる年俸3億円でサイン。及川雅貴投手(24)も同3000万円から3倍超となる年俸1億円で来季の契約を更改した。直近3年で2度のリーグ制覇を果たした猛虎は1億円プレーヤーの人数も、チーム平均年俸額も急上昇。黄金時代前夜の2021年シーズンと比較してみると――。

 本格的な冬の訪れを予感させる、冷たい木枯らしが吹き荒れたこの日の関西地方。だが、虎本拠地の甲子園球場周辺だけには〝歴史的暖冬〟が到来している。

 晴れて3億円プレーヤーとなり、背番号も51から7へ変更することが決定している中野は、名実ともに球界を代表する一流選手の仲間入りを果たした格好に。「いい評価をしていただきました」とビッグディールの成立にホクホク顔をのぞかせた。

 佐藤輝、伊藤将、村上、石井らとともに「神ドラフト世代」の一角として阪神に6位入団した中野の〝初任給〟は年俸800万円(21年シーズン)。5年のキャリアで37・5倍ものサラリーアップを実現した。

 今季、最多勝、最高勝率などのタイトルを獲得した村上や、NPBレコードの50試合連続無失点を樹立した石井。そして本塁打&打点の打撃主要2冠に輝きセ・MVPにも選出された佐藤輝なども、今後に控える更改で大幅な増俸となることが確実視されている。

 21年に阪神に在籍していた日本人選手で、年俸1億円以上を稼いでいたのは西勇、糸井(引退)、梅野、大山の4選手のみ。だが、その5年後となる来季26年シーズンは、この日の及川も含めて、最大17選手が1億円プレーヤーの仲間入りをする可能性がある。

 かつては「コスパ最強」とも評されてきたチーム全体のサラリーも、実績に比例して大きく上昇している。21年時点のチーム平均年俸は、日本プロ野球選手会調査によると、12球団中11位の2886万円。世代交代の過渡期だっただけに〝給与総額〟は極めて低かった。

 だが25年の開幕時点の同調査では、阪神の平均年俸は同3位の5799万円まで上昇。今オフの暖冬査定でさらにその額が上がることは確実で、巨人およびソフトバンクの上位2球団にどこまで肉薄するか、注目される。

 ここまで来ると球団サイドの負担も少々心配になるが、4万2000人超を収容する甲子園のチケットを瞬時に完売させる動員力や、ファンの旺盛な購買意欲に支えられたグッズ売り上げは好調そのもの。甲子園のグラウンドの下には、無限にゼニが埋まっている――。(金額は推定)