阪神にトレードで新加入した伏見寅威捕手(35)が28日、兵庫・西宮市内の球団事務所で入団会見に臨み「藤川監督を胴上げしたい気持ちで、チーム史上初の連覇に向かっている。自分もその戦力になりたい」と抱負を口にした。

 35歳でタテジマに袖を通すことになり、チームでは野手最年長。一方で猛虎はここ数年のドラフト戦略が大成功を収め、若手主体のチーム構成となっている。会見に同席した竹内副本部長は、そうした背景をくみ取る形で「チームには坂本がいて梅野もいるが、捕手はチーム内で二極化している。その間をとりもっていただくというか、捕手のレベルを上げてほしい」と獲得に動いた意図を明かした。

「二極化」という言葉が表す通り、チームには坂本と梅野という実績十分の30代捕手が2人そろっているが、次世代を担う扇の要役の育成が思うように進んでいないのが現状だ。「(若手捕手も)伏見から学ぶことは多いと思う。ヒントを聞けば教えてくれると思うので」と竹内副本部長は語った。

 FA人的補償により伏見とほぼ同じ36歳という年齢で、2013年オフに阪神に加入したのは同球団OBの鶴岡一成氏(48=現韓国ハンファコーチ)。移籍1年目から一軍定着を果たし、横浜(当時)→巨人→DeNAと複数球団を渡り歩いた経験値を新天地に還元した。

藤浪晋太郎(右=現DeNA)とバッテリーを組んだ鶴岡一成(2014年)
藤浪晋太郎(右=現DeNA)とバッテリーを組んだ鶴岡一成(2014年)

 当時大卒ルーキーだった梅野がレギュラー捕手に定着するまでの間、同氏はいい意味での〝つなぎ役〟を務めただけでなく、若手投手の持ち味を引き出すことにもたけていた。高卒で入団したばかりの頃の藤浪(現DeNA)が登板する試合には、しばしばスタメンマスクで出場。ベテラン捕手として、数字だけでは測ることができない功績を残してきた。

 古巣のオリックス&日本ハムでもムードメーカー役を率先して引き受け、チームメートからの信望を勝ち取ってきた伏見も若手投手の潜在能力を引き出すインサイドワークが大きな持ち味。虎投手陣には門別、茨木、今朝丸、工藤とプロスペクトがそろうだけに「令和の鶴岡」として渋い働きを期待したいところだ。