明治安田J1リーグ37節(30日)、首位・鹿島が東京V戦(味スタ)に1―0で勝利し、9年ぶりのリーグ制覇へ王手をかけた。最終節(6日)のホーム・横浜M戦に勝てば無条件で歓喜の瞬間を迎えるが、優勝のプレッシャーからか〝危険な兆候〟が表れている。

 内容的には東京Vが上回っていたが、鹿島の勝負強さが光った。前半32分にGK早川友基がスーパーセーブで得点を許さず、後半29分に途中出場のMF松村優太が、FWレオセアラのシュートのこぼれ球を押し込んで決勝ゴールを決めた。ただ、この日は勝ち点1差で追いかける柏も新潟に勝利したため、優勝の行方は最終節に持ち越された。

 首位に立つ鹿島が有利な状況は変わらない中、そうとは言い切れない状況が生まれている。試合後の鬼木達監督は「選手は見えないプレッシャーがあったようなゲームだった。スタートこそ前へ前へというイメージがあったが、途中からヴェルディのゲームになった」とイレブンの重圧に言及した。

 実際、エースFW鈴木優磨は、チームメートが普段通りプレーできていない状況をピッチ上で感じていた。「(選手同士の)距離感がすごく悪かった。一人ひとりの距離が遠く、パスを出せる選手が限られていた」「もっとチャンスの数を増やさないと得点にはつながらない」「みんなミスをしたくないので判断が一つひとつ遅かった」と修正点を挙げた。

 大一番までのトレーニングで問題を解消できたとしても、優勝のかかった横浜M戦は勝たなければならない意識がさらに強まり、東京V戦と同じような〝症状〟が鹿島イレブンをむしばむこともあり得る。

 さらに思うようなメンバーが揃わないこともありそうだ。この日の苦戦は、主力であるFWチャブリッチ、DF小池龍太が負傷でベンチを外れていたことも一因。次節も2人を欠くようでは、今季低迷の横浜Mとはいえ、地力のあるチームに対して厳しい戦いを強いられそうだ。

 それでも、鈴木は「優勝するためには自分たちがどうやっていくか。周りどうこうではなく、勝つだけなのでわかりやすい」と前を向く。果たしてどのような結末が待っているのか。J2、J3に続き、J1も最後まで目が離せない展開となった。