井端弘和監督(50)率いる侍ジャパンは15日の「ラグザス 侍ジャパンシリーズ」韓国戦(東京ドーム)に11―4で完勝。投打で隣国を圧倒した一戦では微妙な判定も相次ぎ、日韓両軍の指揮官は、審判団に説明を求めるためグラウンドへ足を運んだ。

 象徴的だったのは5回の攻防だ。まずは表の韓国の攻撃で、先頭・ムンの放った打球が侍3番手・松本裕の右足を直撃。このリバウンドを一塁・佐々木泰が捕球したことで、一直と判定された。

 だが韓国サイドは打球が松本の右足に当たる前に接地していたと主張。韓国・リュ監督は審判団に約5分間抗議したが、判定が覆ることはなかった。

 リュ監督は試合後の会見で「残念な判定があった」と切り出し「KBOのルールとは違った。KBOではグラウンドで起きたものはビデオ判定は可能だがWBCではルールが違うということだった。角度的にもバウンドしたと思うが、ジャッジを覆すことはできないと言われた」と振り返った。

 その裏のジャパンの攻撃でもトラブルは続いた。先頭・野村勇がフルカウントから左方向へ高々と打ち上げた打球は、左翼ファールゾーンに着地したが、球審はこれをエンタイトル二塁打と宣告する。これに納得がいかなかったリュ監督は再度球審の元へ足を運び抗議。すると今度はこの抗議が通り、判定はファールに覆る。

 まさかの〝軍配差し違え〟に今度は侍指揮官の井端監督がグラウンドへ出動。その場で審判団から受けた説明を以下のように説明した。

「打球が天井に当たったのは見えたのですが、その後、ボールが(ファールゾーンに)落下したのが見えなかった。球が天井に挟まったか消えたかなと思って、あれがフェアゾーンだから二塁打じゃないかなと思ったんですが、よく見たらスタンドに入っていた。それでスッと引きました(笑い)。『あっそうなんだ』と。そこはLEDとか照明とかが目に入って見えなかったので。こちらの誤解というか、ルール上は(ファールだと)知っていました」

 リクエストの対象範囲や、東京ドームという屋内球場ならではの特殊なハウスルールが、日韓両軍だけでなく審判団にも少なからず混乱を招いた。

 リュ監督は「KBOではABS(自動投球判定システム)でゾーンの角のところでも(ストライク)判定をもらえることもあるのですが、高いゾーンがストライクに入っていないようにも見えた。もう一度確認したい」と言葉を選びながら指摘。韓国投手陣が全体で11もの四死球を出してしまった背景には、普段プレーしているリーグの差異が少なからず反映されているとの考えも示唆した。

 それでも敵将は「KBOなら150キロを超える直球があれば通用するが、日本のような強い相手と戦うには変化や強弱が必要になってくる。若い選手たちも多いので、もっと成長しなければならない」と語り、敗因の全てを判定のせいにすることは決してしなかった。

 来春3月のWBC本大会1次リーグプールCで、日本と韓国はこの日と同じ東京ドームで対戦する。大本番を前に日韓両軍ともに、貴重な〝教訓〟を得ることができた一戦だったのかもしれない。