虎の〝無双右腕〟は悔し涙が止まらなかった。阪神はソフトバンクとの「SMBC日本シリーズ 2025」第5戦(30日、甲子園)に2―3で敗れ、対戦成績は1勝4敗。2023年以来、2年ぶりの日本一奪還の夢は断たれた。

 試合後、石井大智投手(28)は右翼グラウンドのファンへあいさつへ向かうと、涙をこらえきれなかった。リリーバーとして切磋琢磨してきた桐敷、湯浅が寄り添い、デュプランティエも心配そうに声をかけた。

 2点リードの8回だった。3番手で登板した右腕は、先頭・嶺井に安打を浴びながらも、虎党の大歓声を背に代打・ダウンズを空振り三振。しかし一死一塁から1番・柳田に初球の150キロ直球をフルスイングで捉えられ、打球は無情にもレフトポール際へ吸い込まれた。

 マウンド上でぼうぜんと肩を落とした石井は「打たれたからいうわけではないですが…。日本シリーズ4試合投げて力の差を感じていたので。きょうも柳田選手へは投げ切れた球だと思ったんですが、あきらかに力負けです」と唇をかんだ。

 シーズン50試合連続無失点のNPB記録を打ち立て、ポストシーズン含めて56試合連続無失点の右腕でさえ鷹打線の破壊力を止めることはできず。「スイングは強いですし、セ・リーグとパ・リーグの野球は違うと思うので。どちらがレベルが高いという話ではなく、通用しなかったなと」と悔しさをにじませながら振り返った。

 それでも「こういう経験の中で感じてきたものを来年の糧にして。野球の残酷さを知ったというか。でも野球人生が終わったわけではないので。来年は抑えられるように頑張りたいです」と必死に前を向いた。聖地で味わった悔しさを糧に、来季はさらにパワーアップ姿を見せつける。