【昭和~平成スター列伝】男子メジャー団体が女子王座を設立するようになり、リング上は華やかさを増した。そんな状況で頂点に君臨するのが、新日本プロレスのIWGP女子王者・Sareeeと、ノアのGHC女子王者・彩羽匠だ。「スパーク・ラッシュ」を名乗る2人は1980年代に女子プロレス史上でも空前の大ブームを呼んだ長与千種とライオネス飛鳥のクラッシュ・ギャルズを目標にしており、7月のSareee自主興行ではリングに上がった長与と飛鳥からクラッシュの“魂”を継承しており今後が期待される。

11年ぶりの再結成で勝ちどきを上げる長与(下)と飛鳥
11年ぶりの再結成で勝ちどきを上げる長与(下)と飛鳥

 クラッシュの全盛期は84年から89年で、89年に長与が引退したことで解散となったが、長与は93年に現役復帰すると飛鳥も94年に復帰。ヒールに転向してLLPWのイーグル沢井らと結託し「平成裁恐猛毒GUREN隊」で各団体で大暴れ。97年の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」女子プロ大賞を獲得した。

 長与は95年にガイア・ジャパンを旗揚げして正統派を貫いていたが、飛鳥は98年からガイアに参戦して団体全権をかけるなど長与との激しい抗争に入る。しかし紆余曲折を経て、2000年5月14日には「クラッシュ2000」として11年ぶりの再結成を果たし、往年のファンを熱狂させた。長与にとってはまさに“切り札”だった。有明コロシアムには実に超満員9000人の大観衆が詰めかけた。

「ガイア・ジャパン5周年大会が有明コロシアムで行われ、長与千種とライオネス飛鳥の名コンビが『クラッシュ2000』として約11年ぶりに復帰した。2人は極悪軍団・卑弥呼のデビル雅美、北斗晶組と対戦し、新合体技『オーバー・ザ・クラッシュ』で見事な勝利を飾った。9000人超満員の大歓声が爆発した。女子プロの大会でこれだけの観衆を集めたのは久しぶりで、時代を超えてもクラッシュの人気は健在だった。卑弥呼が得意のラフ殺法に出て北斗がイス攻撃で飛鳥が流血すると、長与もデビルの木刀攻撃で流血だ。10分続いた劣勢をダブルのサソリ固めで反撃。最後は飛鳥がパワーボムで北斗を抱え上げたところへ、長与がコーナーポストからダイヤモンドカッターを決める『オーバー・ザ・クラッシュ』で20分を超える熱闘を制した。長与は『時代を変えるぞ!』と宣言。今後はクラッシュ2000を中心に昭和、平成時代が絡み合う戦いが予想される」(抜粋)

 黄金コンビは05年に飛鳥が引退したことで永久封印された。それだけに今回、クラッシュが揃い踏みを果たして、直接に魂を伝授した事実は重い。昭和、平成を沸かせたクラッシュの後継者としてSareeeと彩羽には新たな「令和のクラッシュ」になることを期待したい。 (敬称略)