さらば好漢――。今季限りでの現役引退を発表した阪神・原口文仁内野手(33)が30日に兵庫・西宮市内の球団事務所で会見に臨み、自身の思いを語った。
引退会見ではあるが、スーツではなくユニホーム姿。「まだ戦いがある中なので。戦闘服を着て気持ちを忘れたくないので、ユニホームを着させていただきました」。2年ぶりとなるリーグ制覇を果たした猛虎はまだ、ポストシーズンの戦いを控えている。最後の瞬間までチームの戦力として戦い抜く覚悟を示した。
引退をするかで心が揺れ動いていた9月13日の巨人戦(東京ドーム)でようやく今季初安打。投手強襲の打球がグラウンドを転がっている間に、一塁へ頭から突っ込んだ。らしさあふれる泥臭い一打を「いいところ見せられたかなと。この年になって(シーズン)1本目のヒットがヘッドスライディングで情けないなとも思ったり…」と声を詰まらせながら振り返った。
ファンから愛され、首脳陣から信頼され、チームメートからは尊敬された不屈の男。18年ぶりとなるリーグ制覇を果たした2023年のシーズンはで代打の切り札として、猛虎の精神的支柱として若手主体のチームを力強く支えた。円陣でおなじみとなった原口の「バモス!」のかけ声は勝利の合言葉にもなった。
あれから2年、著しい心身の成長を果たした後輩たちには「強いですよね。なかなかレギュラーに割って入ることは至難だと思う。今、くすぶっている若い選手たちも、これから出てきてくれると思う」と頼もしさを感じているという。度重なる負傷、育成落ち、大腸がんという大病。その全てを乗り越えて16年間を戦い抜いた男の頬には、何度も涙がつたっていた。
球団はシーズン最終戦となる2日のヤクルト戦(甲子園)の試合後に原口の引退セレモニーを執り行う予定。藤川監督も「ベンチに入ってもらって、彼が大事なところで活躍してくれると思う。その景色が本人も好きでしょうしね」と同戦での起用を示唆した。













