【昭和~平成スター列伝】ミスター女子プロレスこと神取忍(LLPW―X)が激動の人生を語る連載「女子プロレス最強レスラーの告白 神取忍 お前の心を折ってやる」は大好評のうちに最終回を迎えた。
神取といえば“デンジャラス・クイーン”こと北斗晶との壮絶な打撃戦2連戦、ブル中野とのチェーンデスマッチが最も印象に残るが、自身は工藤めぐみ、井上京子、堀田祐美子、豊田真奈美らとのシングル戦も「名勝負」として挙げている。神取は1998年3月21日後楽園で堀田を撃破して、全女の象徴「赤いベルト」WWWA世界シングル王座を初戴冠。LLPWシングル王座と合わせて2冠王になった。
そして同年8月23日全女川崎大会で豊田を挑戦者に迎えてV2戦に臨んだ。スタイルの違いもあって周囲からは「かみ合わない」との声が飛んだが、神取は「絶対に面白い試合になる」という確信があったという。
「全日本女子プロレスのWWWA世界シングル選手権(23日、川崎市体育館)は、神取忍が豊田真奈美を下し2度目の防衛に成功した。さすが『女の中の男』だ。最強チャレンジャーを正面から受け切った。豊田のドロップキック、回転プランチャ、月面水爆の波状攻撃をしのいだ。スキを見て回転揺りイス固め、ラ・マヒストラルなど意表をついた返し技で反撃する。全女のベルト奪還を願う超満員(4350人)の観衆に押され、豊田もスープレックス連発でスパート。場外ミサイルキックで神取をぶっ飛ばした。両者の意地がぶつかり合った激闘は、豊田の日本海式竜巻固めを神取が空中でクルリと切り返して大逆転。最後はそのまま左ヒジと左ヒザを決める変型ヒザ十字固めで18分8秒、神取が制した。女子最強の名をほしいままにする神取は『ベルトをどこまで防衛できるか。最高は22回? それなら23回防衛してやるよ』と高らかに宣言した。まずは10・10両国国技館『L―1』では宿敵グンダレンコに雪辱を果たす。『今までやってきたことは変えない』と言う神取の最強神話が始まった」(抜粋)
ケンカファイトだけでなく、豊田のような技巧派とも名勝負を展開できるのも神取の強みだった。さらには天龍源一郎との壮絶戦、ムエタイ選手とも対戦するなど、どんな選手とも名勝負を実現させる懐の深さは天下一品だった。ベルトは99年3月に堀田に奪還されるも、98年10月の「L―1」では192センチ、150キロのグンダレンコをフロントチョークで3年前の雪辱を果たした。
神取は「あの時代、他団体の選手と戦う時、とにかくLLPWの名前を上げていきたいという思いが強かった。当時は強くて個性的なメンバーに恵まれたからね」と後述する。この人に引退はないだろう。今後も異色でありながら女子プロの“本道”を歩んでほしい。 (敬称略)













