これがエースならではの粘り腰と修正能力か。
セ3位のDeNAが20日の広島戦(横浜)に7―4で競り勝ち。2位・巨人との差を0・5ゲームに縮めた。

 先発した東克樹投手(29)はハーラー単独トップの12勝目をマーク。5回7安打3失点と、エースとして褒められた内容ではなかった。2回に自らの適時打も飛び出すなど一挙5点のリードを得ながら3回に末包、4回に二俣の犠飛、5回にファビアンの14号ソロで1点ずつ返され、2点差にまで迫られた。

 だが、そのたびに踏ん張って、ひっくり返されなかったのが〝小さなエース〟のしぶとさだ。

 三浦大輔監督(51)も「今日の東はよくなかったけど、悪いなりによく試合を作った」と称賛。「自分でタイムリーを打って、タッチアップで次の塁を取るといういい形も見せてくれた」と打撃と走塁の積極プレーもたたえた。

 この日、東は「原点回帰」をテーマに掲げていた。「原点に戻って、東とはどういう投手なのか、自分を客観的に見て試合を作る」と登板前日に強調していたのだ。

 広島には対戦成績3勝2敗と勝ち越してはいるが、前回(6日)の登板では5回6失点で負け投手となっていた。

 そこで大原、小杉投手コーチ、アナリストたちと原因を分析。東がたどり着いた結論はこうだ。

「僕の生命線はやっぱりコントロール。チェンジアップが、ボール一つ高いとデータ上は出ている。そこらへんをしっかりと考え直したい」

 また、連日猛暑にさらされているため、疲労も蓄積しているという。

「やっぱり目に見えない疲労がたまっていることは感じています。屋外の球場でいるデメリットもあると思う。睡眠を多く摂るとか、血流をよくして疲労物質を速く出すとか、そういうリカバリーも日々考えています」

 そうした努力を重ねて12勝目を挙げ、2023年以来2度目の最多勝を狙える位置に来た。が、個人タイトルは意識していない、と東は言う。

「何勝目とかいうことがフィーチャーされますが、それよりも長いイニングを投げること、しっかり自分の投球ができることが大事。目に見える数字は付加価値が付くでしょうけど、僕はそこで野球をやっていません」

 試合後は原点回帰のテーマについて「まだ継続ですね。もっと高みを目指してやっていきます」とキッパリ。

 昨年の下克上日本一は東の〝奮投〟に負うところが大きかった。今年も2位に浮上し、CSを勝ち抜くためにはエースの力が必要不可欠。この日の粘投がエネルギーになればいいのだが。