パ2位の日本ハムは10日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)に0―1で完封負け。先発した伊藤大海投手(27)、相手のリバン・モイネロ投手(29)も最後までマウンドを降りずに白熱の投手戦を繰り広げたが、首位対決で痛い連敗を喫し、3ゲーム差に突き放された。日本ハムOBで野球評論家の柏原純一氏はどう見たのか。今後の戦いに向けても古巣へゲキを飛ばした。

【柏原純一「烈眼」】伊藤、モイネロの投手戦は実に見応えがあり、戦前の予想通りの「1点勝負」となった。

 完投負けとなった伊藤も111球で4安打、11奪三振と素晴らしい内容だった。しかし、モイネロはそれ以上だった。9回を125球で13奪三振。わずか3安打に終わった。とはいえ、プロである以上「今日は相手が良かった」で済ませてはダメだ。

 試合の序盤からモイネロの代名詞である角度のある150キロの直球を、誰もまともに前にはじき返すことができなかった。次回の対戦以降も、投球の45%以上を占める直球をいかに早い段階で捉えられるかがポイントになってくる。直球だけでなく変化球の制球力も長けているだけに、それを実践できなければ再び厳しい展開を強いられるだろう。

 この日の4回までは投球の7割以上が直球。追い込まれた後の決め球にカーブやチェンジアップを投げ込まれてタイミングを外された。その間、直球を前に飛ばしたのはマルティネス(遊ゴロ)、万波(右飛)、奈良間(三飛)、レイエス(投ゴロ)の4人だけだった。フライは差し込まれたもので、ゴロはボテボテ。それ以外は空振りかファウルで直球に完全に力負けしていた。

 中盤以降は相手に植えつけられた意識を逆手に取られた。5回の先頭打者・万波が149キロの直球を中前へ運んで以降、相手バッテリーは変化球主体の投球に切り替えた。初球や2球目にカーブやスライダーを使い、追い込んだ後に直球やチェンジアップ。日本ハム打線はいいように翻弄され、5回から8回まで毎回の8奪三振を喫し、すっかりお手上げ状態になってしまった。やはり、そうなる前に誰かがモイネロの真っすぐを捉えなければならなかった。

 前日9日のカード初戦で苦戦した有原、そしてこの日のモイネロ。もちろん、口で言うほど簡単に打てるような投手でないことは分かっている。ただ、今後の優勝争い、両チームともに進出するであろうCSなど、この先も必ず当たる相手だ。その時に向け「やられたらやり返す」の精神を強く持ち続けてほしい。(野球評論家)