【女子プロレス最強レスラーの告白 神取忍 お前の心を折ってやる(3)】小学低学年の1970年代前半、本牧から磯子の方に引っ越して転校した。無口でしゃべらなかった性格が少しずつ変わっていった。
運動神経が良くて足も速い。普段からまったくスカートもはかなかったから、男子からは「おとこおんな~」って言われたりしたんだ。そうなんだよ、昔から言われているから、大人になって「ミスターうんぬん」と言われても全然気にならないんだよ。自分は自分でいるだけだから。男子ともケンカをしていた。もちろん、やられたらやり返す。自然と闘争本能が芽生えたね。
ケンカは強かったけど、もともとが力自慢だった。両親ともスポーツに秀でていたわけではなかったんだ。父親は測量士で母親は裁縫が得意。父親が田舎の相撲大会で勝ったことがあるくらい。姉、兄もずばぬけて運動神経が良かったわけでもない。自分だけスポーツが得意で力があったのは、いろんな要因が重なったからだと思う。小さいころから兄貴と取っ組み合いをしてきたから、自然と力が強くなったのかもしれない。あと土砂崩れがあった前に住んでいた家が丘の上の辺りにあったから、自然に脚力がついたんだと思う。毎日上って下ってするわけだから。
それに幼稚園のころ、母親が体が弱くて、いつも「手伝いしなさい」って6歳離れた姉ちゃんにこき使われていた。二槽式の洗濯機を使っていたから、大量の洗濯物を洗濯槽から脱水槽に移したり、いろんな力仕事もさせられて。末っ子だから、そりゃ仕方がないよね。たぶん変に力がついたんじゃないかな。
運動会とか合唱コンクールとか、イベント事は好きで、血が騒ぐタイプ。でも、ドッジボールとか団体競技は苦手な方だったな。誰かがミスすると「ドンマイ!」とか言うやつもいるけど、絶対に言えなかった。「お前のせいだ!」とはっきり言ってしまう。今プロレス団体をやっているのが自分でも不思議なぐらい。変わるもんだよ。なんせ、父親に山下公園に捨てられてから「自分のことは自分でやる」という生き方できてるから。
その上、負けず嫌い。仲間にまで「結果を出せっ!」「お前がミスしたんだろ!」て言っちゃってね。チームワークなんてあったもんじゃない。当然、空気が悪くなるよね。泣き出す子もいた。性格なんだよ。勝たないと気が済まない。そこを乗り越えるとスポーツマンシップとなるんだけどさ。だからチーム競技は本当に向かないんだ。
中学生になるころ、70年代後半は、校内暴力なんて言葉があった時だよね。制服のスカートはもちろん長かったね。カーリーヘアがはやっていてさ。不良? 不良っていうのかな。あの時代はみんな、そんな感じだったんだよ。












