ソフトバンクは18日の楽天戦(みずほペイペイ)で延長12回に2―1でサヨナラ勝ちを収めた。最後は牧原大の一打で決着をつけ、最大で「7」あった借金を完済して勝率5割に復帰。小久保裕紀監督(53)は「こういう試合をいかに勝ちにつなげていくかは大事」とロースコアで制した接戦に納得顔だった。

 劇的勝利の裏には一人の若鷹の〝つなぎ〟があった。それが12回一死一、二塁から代打で起用された石塚綜一郎捕手(23)だ。背番号55をつける打撃が魅力のプロ6年目は、8球目に右腕に死球を受けてチャンスを拡大。劇的な幕切れを呼び込んだ。

 石塚は球界でも屈指の〝マグネット性能〟を誇る。今季は29打席ながら死球数はチームトップの「4」。二軍でも59打席で5死球を受けており、指揮官は「石塚、よく当たりますね。(代打に送る時に)ちょっとよぎったんですけど、本当に当たるとは思わなかった」と〝謎の磁力〟に目を見張った。

 昨季も一軍の40打席で4死球、二軍の142打席でも10死球。プロ入りから異常ともいえるペースで投球を吸い寄せて(?)きた。その要因を本人は「避け方がワンパターンしかない」と語るが、ケガをしない丈夫な体も持ち味だ。

 石塚は「僕の死球に関してはみんな深刻に考えてない。『また当たったね』ぐらいです。心配されることはない」と語り、この日も複数のチームメートから「絶対当たると思ってた」と言われたという。

 さらに石塚の死球は以前にもチームに勢いをもたらしていた。今月2日のロッテ戦(みずほペイペイ)で1点を追う9回二死一、二塁で打席に立つと死球を受けて満塁に。全ての塁が埋まると代打・川瀬に逆転サヨナラ打が飛び出し、連敗を「5」で止めたチームはそこから5連勝を飾った。石塚の死球が〝連勝確変モード〟の着火剤になったともいえる。

 もっとも本人は「2分の2でサヨナラを演出してるので、次は僕が決められるように」と自らの殊勲打を決めるつもり。体に加え、バットでも当たりを出し、チームを加速させる。