中日は30日の阪神戦(バンテリン)で延長11回にカリステの犠飛で5―4のサヨナラ勝ち。正念場の9連戦で連勝スタートとなった井上一樹監督(53)は「4時間半の試合の中でも選手それぞれ集中力を切らすことなく頑張ってくれた」とナインの奮闘をたたえた。

 ただ、この試合ではファンの批判を招きかねないシーンが同点の9回の攻撃で起きた。二死満塁のサヨナラ機で山本泰寛内野手(31)が打席に入り、ドームのムードは最高潮。ところが、山本は2球目をセーフティーバントし、打球は投手前に転がり桐敷が本塁に送球してチャンスは消滅…。なぜ2アウトからバントなのか。あまりにも消極的な作戦に観客席は「?」マーク一色となった。

バンド失敗に終わりベンチで渋い表情の井上監督
バンド失敗に終わりベンチで渋い表情の井上監督

「確率が高いのを僕が選択しました」。試合後、山本は自身の判断でセーフティーバントを行ったことを明かしたが、結果的に〝アウトにしてください〟といわんばかりの打球となり、ネット上も疑問の声であふれた。そんな山本に批判の矛先が向かわないようにかばったのが井上監督だった。

 指揮官は「ビックリしましたね。でも、ヤス(山本)のことを責めるつもりはない。常に打席に入った時は視野を広く持ちなさいよということを徹底して言っている。それでいけると思った時は敢行しなさいと言っている。そこに対して〝何をしているんだ〟ということは一切ありません」と断言。選手の判断を尊重することを改めて打ち出した。

 故障者続出に加え、リーグ最低打率&最低得点の貧打でなかなか波に乗れないチーム状況でも、自ら考案したスローガン「どらポジ」通り前向きな姿勢を見せてきた井上監督。借金を「1」まで減らし、勝率5割復帰目前となっているだけに「あと7つ、どういった形でコンディションをいいものに持っていくか知恵を絞ってやっていきたい」とポジティブ全開で9連戦を乗り切る。