巨人は29日の広島戦(東京ドーム)で延長12回に4―3のサヨナラ勝ちを収め、9連戦初戦を劇的な白星で飾った。

 1点を追う9回二死一塁から相手三塁手・小園の悪送球で同点に追いつくと、最後は延長戦の末に甲斐の中犠飛で歓喜の輪が広がった。絶体絶命から大きな1勝をもぎ取った阿部慎之助監督(46)は「野球は何があるか分からないし、相手がミスしてくれたんだけど『明日は我が身』だよね。喜ぶ半面、自分たちにも起き得るってことでもう一回緊張感を持ってほしいい」と引き締め直した。

 開幕から1か月が経過したチームは貯金3でセ2位につけている。ここまでの戦いぶりを現場の首脳陣はどう捉えているのか。内海哲也投手コーチ(43)はこう明かしていた。

「去年もそうだったけど、『投打の歯車がかみ合うか』っていうところが大切。この時期はほんとに我慢するしかないんで。粘って粘って頑張って、徐々に(歯車が)かみ合ってきたっていうのがあるんでね。それに丸(佳浩)とか(坂本)勇人は(一軍に)いないですし、エリー(ヘルナンデス)も戸郷(翔征)も万全な状態ではないですし。万全なチーム状態じゃない中で、今いる戦力で何とか粘り強くやっていくしかない。貯金もありますし、まだまだ始まったばかりなんでね」

 確かに戦力はまだそろっていない状態だ。丸は開幕直前に右太ももを負傷して故障班入り。坂本やヘルナンデス、エース・戸郷は成績不振で二軍再調整を余儀なくされた。そんな状況でも勝率5割以上を維持し、今後の〝上がり目〟もあるとなれば上出来だろう。

 内海コーチは「本番は夏場なんで。夏にどれだけ巻き返すか。チームの状態が上がっていけるかっていうのは本当に重要なことだと思うんで、今は我慢してその時が来ることを信じて一戦一戦やるだけです」と先も見据えていた。

 主力勢が復帰し、〝完全体〟となるのはいつか。勝負の季節が訪れるまで牙を研ぎ続ける。