本来ならば、もっと勝ち星を量産できているはずだろう。中日は23日の巨人戦(東京ドーム)に0―2で敗れ、借金2。5回2安打無失点の力投を見せた先発・柳裕也投手(31)は「しっかり打者の勉強をして、いろいろな球を使いながら自分らしい投球ができたと思います」と振り返ったものの、勝利には結びつかなかった。
昨季は4勝5敗と不本意な成績に終わった。だが、今季は4登板のうち3試合で無失点のままリリーフにつなぐ抜群の安定感。防御率0・72は巨人・山崎に次ぐリーグ2位の成績でエース級の投球を見せている。今季1勝1敗の成績にとどまっているのが、不思議なくらいだ。
完全復活の裏にあるのが投球時のポジティブな振る舞いだ。「メンタル的にも悲愴感が漂わないように」「あまりマイナスの感情を出さずに〝ドラポジ〟で」「(明るい表情を)意識していますね。ナイーブにならないようにしています。去年のことを踏まえてやっている取り組みの一つです」などという、これまでの言葉からも分かるように柳はマウンド上での〝表情管理〟をしっかりと意識して行っている。
この日も初回二死から三塁手・高橋周の失策で走者を1人出したが、全く動じるそぶりを見せなかった。続く4番・岡本が放った三塁線を破るかと思われた強烈な打球を、今度は高橋周がファインプレーでアウトにするとベンチへ戻りながら満面の笑み。そういった明るさや、おおらかさが堂々としたピッチング内容につながっている。
井上監督も「今日も安定感があった。柳にとっては全く言うことがない」と全幅の信頼を置いている。投球中に少し違和感を感じたため、この日は5回での降板となったが指揮官は「抹消するとかは考えていません。そこに至るまでの問題ではない」と説明。打線になかなか火がつかないチーム状況だけに、柳にかかる期待はさらに高まりそうだ。












