ソフトバンクは2日の日本ハム戦(エスコン)に1―3で競り負けた。攻撃陣が相手を上回る7安打を放ちながらつながりを欠き、連勝はならなかった。昨オフに現役ドラフトで日本ハムに移籍した吉田に〝恩返し弾〟まで食らうなど、ライバル球団の本拠地開幕カード2戦目は相手に花を持たせる結果となった。

 昨季の直接対決は12勝12敗1分けで完全に五分。新庄政権4年目の今季は手塩にかけて育ててきた若手が主力に成長し、年を重ねるごとに地力をつけてきた。鷹陣営にとって、今カードは日本ハムが今後も覇権を狙うにふさわしい組織力と〝器〟を備えていることを思い知らされる遠征となった。

「日本ハムの開幕セレモニーに参加したウチの選手たちも気持ちを高ぶらせていた」。チーム関係者の証言通り、1日の試合前に行われたセレモニーではファイターズ側のリスペクトに圧倒された。式典では相手球団にもかかわらず、柳田と周東のインタビュー映像も流された。日本ハム側の要請を受け、春季キャンプ中に収められたもので日本最高峰の製作集団に手掛けられた。その完成度の高さには「ビジター球団の扱いとは思えない」という声が漏れるほどだった。

 さらに先発メンバーの登場は中堅フェンスが開き、小久保監督を先頭に柳田、周東、山川らが威風堂々と入場する勇壮な演出で〝敵までもカッコよく見せる〟という粋な計らいと懐の深さに鷹陣営は舌を巻いた。「マネしようと思ってもできない完成度の高さとセンスに、みんな感動していた。得てして強いチームほどこういうことができる」(チーム関係者)。敵ながらあっぱれといった様子だった。

 MLBの球場運営を参考に、かねて最先端の設備とファンの心をくすぐる仕掛けが注目を集めてきたが、敵味方関係なく心をつかむエンターテインメントの創出は衝撃だったようだ。相手選手へのリスペクトは相手ファンへの敬意ともいえる。ビジターファンの来場を呼び込む好循環にもつながるだけに「見習うべきところは多い」という鷹陣営の声は切実だった。