肉体はもはや別人だ。広島の2年目助っ人、テイラー・ハーン投手(30)が驚異的なペースで〝マッチョ化〟を進めている。

 今季の個人的なパフォーマンスについて掲げる目標は、直球のさらなる高速化。昨季の最速は157キロですでに球界内でもトップクラスを誇るが、本人は「目標は毎年、100マイル(約161キロ)。去年も100マイル近くまでいったんだけど。球速のゴールはそこにおいているよ」と明かす。実は米国時代にマークした自己記録「160キロ」の更新に本腰を入れて再来日している。

 昨季終了後の昨年11月から週4度のウエートトレーニングで計画的に強化を開始。上半身と下半身のどちらかに偏ることなく鍛え「体脂肪を抑えて体重を増やす。体脂肪率20%をキープし、体重は10キロ増を目標にしている」という。

 28日の開幕を控えた中でも同じ頻度で強化に励み、アクシデントや体調不良で一時は体重が10キロ近く落ちた昨春とは見た目もコンディションもまるで異なる状態だ。

 その証拠に、NPBのホームページに記載されているプロフィルも大幅に塗り変えてしまった。身長と体重は「198センチ」「117キロ」とあるが、ハーンによると実際は「123キロ」。実に6キロのボリュームアップに成功した。それでもハーンは「シーズンに入れば、体の疲れを残さないようにすることが大事だけど、筋量は減らさないようにキープすることも大事」と開幕後も現在の取り組みを継続するつもりでいる。

 昨季は5月下旬に一軍に昇格して以降、初登板から16試合連続で無失点を記録。最終的には35試合で17ホールド、2セーブ、防御率1・29と鯉のブルペンに欠かせない存在となった。

「非常にいい春を過ごしているよ。もういつシーズンが始まっても問題ないよ」。NPBでは30人以上が160キロの大台を超えたが、左腕に限れば2021年のエスコバー(当時DeNA=163キロ)などひと握りしかいない。昨季の安定感を維持したまま〝限界突破〟となれば、自らの価値をさらに高めるシーズンになりそうだ。