日本球界に新鋭がまた一人――。NPB12球団のキャンプが終盤に差し掛かろうとしている。各球団を視察する野球評論家・柏原純一氏は、ロッテに現れた若武者に着目し「トリプルスリー」達成の可能性にまで言及した。
【柏原純一「烈眼」】ロッテに気になる選手がいた。ヤクルトとの練習試合(18日、浦添)に「3番・左翼」で先発出場した西川史礁外野手(21=青学大)だ。結果よりも目を引いたのは試合前のフリー打撃。「いい打ち方をするな」と思って選手名鑑を見たら、今年のドラフト1位でルーキー全体の中でもナンバーワン評価の野手という。
タイミングを取る中で左手の引き手の使い方が非凡で広角に打てる。スイングも後ろがコンパクトで、投手側のフォロースルーが大きい。まだプロの体になり切れていない線の細さは気になるが、ユニホームを着た試合ではその姿がやや大きく見えたことも好印象だ。パワーがついてくれば、いずれ球界屈指の強打者になる予感がした。
本職は中堅手で、一塁まで4秒台前半で駆け抜ける脚力もあり、走攻守で勝負するタイプ。将来的に打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を目指せるだけの逸材だ。この記録は、2010年代後半に山田哲人(ヤクルト)が3度樹立したが、「右の外野手」となると1989年の西武・秋山幸二(3割1厘、31本塁打、31盗塁)までさかのぼる。
ただ、実際にイメージしたのは83年に打率3割1分2厘、32本塁打、35盗塁で達成した当時阪急の簑田浩二外野手(72)だ。私は日本ハムで対戦相手として彼のプレーをよく見ていたが、野球に対して好奇心が非常に旺盛な選手だった。私が一塁で守っていると、出塁してきた彼と頻繁に野球談議をしたものだ。
私のように打つだけでなく、話題は打撃、守備、走塁、試合の流れなど多岐にわたった。それほど野球観に優れ、打つだけの選手ではなかったということだ。
いつの時代にも「和製大砲」と呼ばれる長距離打者はいるが、走攻守を高いレベルで備えた選手は希少価値が高い。西川にも簑田氏のような打って守って走れる名外野手の道を目指してほしい。(野球評論家)












