第96回選抜高校野球大会の第2日第3試合は学法石川(福島)が健大高崎(群馬)の前に涙を飲んだ。先発の2年生左腕・佐藤が粘りの投球を見せたが、後半に捕まり、0―4と完敗。佐々木監督は「前半はいい展開ができた。先制のチャンスがあった時にどんな形でも先制できたら、試合は面白くなったと思う。1点も取れなかったことの悔しさを次につなげてほしい」と夏を見据えた。

 佐々木監督は1995年から仙台育英(宮城)を率いて2001年春と2015年夏に甲子園で準優勝し、2018年11月から学法石川の監督に就任。昨秋の東北大会で4強入りし、古豪を33年ぶりの聖地に導き、自らも9年ぶりに帰還を果たした。

 人間形成に重きを置く指導は仙台育英時代と変わらず、選手に言い聞かせているのは「いいオヤジになれ」。ナインの1人は「野球が終わってからも人生は続く。野球をやめる時も人を思いやれるちゃんとした大人になれ、ということです」と人として生き方を学んでいる。

 遠征先では心に響く映画を見せ、大阪入りしてからも全員でインド映画「オール イズ ウェル(きっと、うまくいく)」を鑑賞した。「自分たちの状況に似ている映画を見るんです。この映画もダメダメだった人が〝きっとうまく行く〟と信じてやったらうまくいったという話。自分たちに置き換えて見ました。静岡遠征では『ロッキー』を見てみんなで戦うことの大切さを感じました」(別の選手)。

 笑顔で人を楽しませるのも大切なこと。人と接する際にディズニーランドのキャストを例に挙げ、選手にダンスをさせている。「自分たちがキャストになって、練習試合に来た相手チームやお客さんを笑顔にします。試合途中の整備の時間に音楽をかけ、ダンスをするんです。野球の練習の合間にダンスの練習もやってますよ。最初はなんで?と思ったけど、佐々木先生を信じてやったら自分が変われる。表に出るタイプじゃなくても人前に立って楽しませることができる」と指揮官に感謝した。

 初戦突破はならなかったが、選手たちはハツラツプレーで観客を楽しませ、スタンドに笑顔を咲かせた。