新日本プロレスのIWGP世界ヘビー級王者・内藤哲也(41)が、米AEWと契約したオカダ・カズチカ(36)に制御不能節を炸裂させた。新天地の候補に挙がっていた世界最大団体・WWEではなく、新日本と交流のあるAEWを選択した決断に対し意外な反応。「3年総額20億円(推定)」と言われる破格の契約条件を、自身の発奮材料に変えた。

 内藤とオカダは団体内のみならず、日本プロレス界の頂点を競い合ってきた特別な間柄。2月札幌大会でのラストマッチを終えたオカダに対して「2020年1月5日の試合後の俺のマイク、覚えてるだろ? 『また東京ドームのメインイベントで勝負しようぜ』って言葉、忘れるなよ」とメッセージを送っていた。

 そのオカダは6日(日本時間7日)にAEWとの正式契約が発表された。内藤は「退団についてのコメントや、涙を浮かべる姿を見ていて、もっと遠くへ行ってしまうのかなと思っていたので、ビックリしましたね。思ったより近いところに…というのが正直な感想。なら(1月米サンノゼ大会でのウィル)オスプレイ戦の涙は何だったのかなって」。新日本と交流のある海外団体への移籍は意外と感じたようだ。

 大きな注目を集めているのが「3年20億円」という破格の契約条件。これまでの日本プロレス界の常識を大きく覆す金額で、オカダは自身が大金を得ることにより、今後プロレスを目指す若い人を増やしたい意向とされる。

 これに対し内藤は「結局はおカネでしょ? 別にそれが悪いとは言ってないですよ。プロレスラーってすごいんだな、俺もなりたいなって人が増えたらうれしいですし、素晴らしいんじゃないですか?」とオカダの考えを尊重する。

AEW参戦早々、大暴れしたオカダ(©All Elite Wrestling)
AEW参戦早々、大暴れしたオカダ(©All Elite Wrestling)

 一方で「でも、新日本のオカダに憧れて応援していた子供たちの中には、泣きながらTシャツを捨てた子もいるかもしれないですよ。(カープファンの)俺がかつて阪神にFA移籍した新井(貴浩)監督のユニホームを捨てたようにね」。自身は未来の子供たちと同等以上に、現在進行形のファンを大事にするスタンスであることを示した。

 ともあれ、オカダが新たなステージに立ったことは大いに刺激になっている。「俺はオカダを『後悔させたい』と言ってきましたからね。つまり、20億円の契約を捨ててでも新日本プロレスに残ればよかった、と思わせなきゃいけないわけで…。これはやりがいのある仕事になったなって。彼が20億円以上の価値を内藤に見いだした時は、また俺の前に現れるんじゃないですか」と、さらなる成長を誓った。

 4月6日東京・両国国技館大会では「NEW JAPAN CUP」覇者とのV2戦を控えている。ライバルが去った後の新日本のリングをけん引するのは、制御不能なカリスマをおいて他にいない。