昨季、日本一に輝いた阪神がオープン戦で苦戦を強いられている。11日までまさかの9戦全敗で最下位に沈む。岡田彰布監督(66)が最もライバル視する巨人に対しても2連敗を喫しているのだが、焦りは一切なし。というのも、球団史上初のリーグ連覇へ着々と準備を進める上で熟練指揮官を陰で支える〝ブレーン〟がいるからこそで――。

 虎の最大のライバルはやっぱり巨人だ。もっか阪神はオープン戦で球団ワースト記録の9連敗中も、岡田監督は〝そんなこと関係あらへんで〟とばかりにどこ吹く風。昨年オフのテレビ番組で連覇へのライバルを問われると、2位の広島や3位のDeNAではなく、あえて4位だった「巨人」の名を挙げたほど意識している。

 ある阪神OBは「もちろん巨人だけではなく、全球団を警戒しますよ。でも、昔から阪神を知るウチのOBは『巨人にだけは負けるな』が口癖。岡田監督もその世代だし、実際に岡田さんが監督の時は巨人にはほぼ勝ち越してるからね。今年も徹底的に叩きにいくと思うよ」と力説する。

 岡田監督は第1次政権から巨人戦では2004年に17勝10敗1分け、05年は14勝8敗、07年は14勝9敗1分けで在任5シーズンで3度の勝ち越しを決めている。06年は11勝11敗の五分で、負け越したのは巨人に「メークレジェンド」を食らった08年(10勝14敗)だけという数字が残っている。

 そして昨季は18勝6敗1分けとまさに圧倒。指揮官が最も重要視する巨人戦対策として陰で大きく貢献していたのが、ベテランの飯田正男スコアラー(64)だ。飯田スコアラーは早くからデータを重視した元阪神監督でもある野村克也氏も一目置いた存在。さらに相手の癖を見抜く眼力にもたけており、昨季に続いて今季も担当する。

飯田正男スコアラー(右)と和田豊現二軍監督(2003年)
飯田正男スコアラー(右)と和田豊現二軍監督(2003年)

 巨人側には飯田スコアラーの存在が不気味に映っており「昨年の数字は屈辱。プロ野球でこんなワンサイドで負けるのは極めてまれでしょ。投手の癖を見抜かれていて、勝負どころで上手にデータを生かされているんではないかとか、疑心暗鬼になるレベル」と警戒を強めている。

 10日の巨人戦後、岡田監督は相手の戦力分析について問われると「まだ報告もきてないしなあ。そらキャンプからスコアラーがずっと見とるから」と平然と構えていたが…。

 4年連続で巨人戦に勝ち越せば球団史上初の快挙。生粋の阪神ファンである岡田監督が意識していないはずはないが、29日の開幕戦でいきなりぶつかる「伝統の一戦」に今年も注目だ。