【アリゾナ州グレンデール発9日(日本時間10日)】たった一日で主役に躍り出た。ドジャースの山本由伸投手(25)がキャンプイン。背番号「18」を初披露した。初日からブルペンで直球、変化球を含め計21球の圧巻投球を披露した。チームの顔といえば大谷翔平投手(29)だが、この日の投球で評価は急上昇。早くも周囲では「大谷への予想以上の好影響が期待できるのでは」という声が高まっている。
キャンプイン初日。真新しいドジャーブルーの背番号「18」のユニホームを身にまとった山本がロッカールームから姿を現したのは午前10時半(同10日午前2時半)過ぎだった。
キャンプ施設のマイナーグラウンドに足を運ぶとまずは軽めのランニングで汗を流した。この時点で待ち構えていた大勢の日米報道陣に加え100人規模のファンが山本見たさに殺到。その後、2021年に16勝を挙げ、今季右ヒジ手術から復帰するビューラーとのキャッチボール開始が「由伸の由伸による由伸のため」の劇場が幕を開ける合図となった。
マイナー球場では他の投手陣がキャッチボールを行っていたが、視線は異国から来た新加入投手にくぎ付け。これに動揺したのか、ビューラーは何度も暴投してしまい、山本に手を挙げて謝る場面も見られた。
さらに周囲のボルテージが上がったのは直後に行われたブルペン投球だった。当初前日にブルペン入りする予定だったが、雨の影響でこの日に変更。状態が心配されたが、その投球は圧巻そのものだった。
ベテラン捕手バーンズに立ってもらったまま、直球を中心にまず8球を投げると、球団幹部やコーチ、マイナー選手らが山本の周囲に集まり始めた。捕手に座ってもらって本格的な投球練習が始まるとブルペン周辺はさらに関係者らで埋め尽くされた。1球投げるごとに“生由伸”に大興奮。これには山本獲得に尽力したアンドリュー・フリードマン編成本部長(47)もニンマリだ。
「山本たちが(ブルペンで)投げ始めたら次から次へと人が集まり出したからね。今日はキャンプ初日だったが信じられないほど興奮したよ」と喜びを隠し切れない様子だった。
結局、直球、変化球を織り交ぜて計21球を投げた。練習後、笑みを浮かべながらバーンズやコーチらと談笑。キャンプ初日でファンやナインのハートをわしづかみにすることに成功した。
想像の上を行った由伸劇場に球団周辺では早くも「この調子であれば間違いなくチームの戦力としてだけではなく“あの人”の力にもなるはず」という期待の声が高まり始めている。「あの人」とは大谷のことだ。
今季のドジャースでは大谷の注目度が日米、いや世界の野球ファンの中で群を抜いている。キャンプイン初日のこの日も大谷目当てのファンがキャンプ地に殺到した。さすがのユニコーンといえども一人でこの重責と注目度を担うのは酷というもの。だが、この日のように山本が存在感を見せれば、注目度が分散し、大谷本人に少なからず好影響をもたらすだろう。その意味でも「山本の21球」は大きな価値があった。
フリードマン編成本部長に「彼は信じられないほど才能がある選手」と絶賛された山本。チームの勝利だけでなく、大谷への「後方支援」、さらに「共闘」で注目度が上がることは間違いなさそうだ。













