4年ぶりのV奪回を目指す巨人が1日に宮崎での春季キャンプをスタートさせた。今季から指揮を執る阿部慎之助監督(44)は指導要綱を小冊子にまとめた〝阿部の十か条〟を首脳陣に配布。その項目の1つが「選手を絶対に委縮させないこと」と判明した。以前の「昭和スタイル」から時代に即した〝令和版〟にモデルチェンジさせている。

 青年監督が初日から新たな自分を前面に押し出した。これまでの阿部監督の指導方針と言えば「俺は昭和だから」と自ら話すように、選手の尻をたたいて徹底的に鍛え上げる「鬼軍曹」スタイルだった。

 だが先月19日に行われたスタッフ会議後、自分の方針を記した小冊子の配布を明言。指揮官は「自己犠牲ができる選手を起用していく」「数字だけを見て一軍、二軍の昇降格を決めない」「投手は全員帯同」「二軍からいきなり一軍で先発させない」など4項目を挙げていた。

 さらに、その〝阿部の十か条〟の1つが「選手を絶対に萎縮させないこと」だという。昨今の球界でも物議を醸しているパワハラに対して断固たる姿勢を明文化。監督自ら「昭和」を捨て「令和」に即した指導スタイルへと変貌を遂げた形だ。

 その姿勢はさっそくこの日のブルペンで体現された。テレビカメラがズラリと並ぶなか、阿部監督は投手陣の投球に熱視線を送った。しかし、最後にドラフト1位・西舘勇陽投手(21=中大)がブルペンに入ると指揮官の動きに変化が。視線をほとんど送らなかったばかりか、西舘が投げ終わる前にブルペンを後にした。

 阿部監督はあえて〝スルー〟した意図を「(西舘が)かわいそうだから。5球ぐらい見てどこかに逃げた。こんな異様な雰囲気で投げて、俺が後ろで仁王立ちしてたらむちゃするだろうしね」と冗談交じりに説明した。

 こうした細やかな配慮にチーム内からは「ただでさえ中大の後輩だし、自分が見ることで西舘に与える影響は分かっている。非常にクレバーだし、本心から選手ファーストでやっている証拠」との声も飛んだ。

 黄金新人にのびのびと投げさせることでケガのリスクも避けられた。すべてはチームの優勝のため。新スタイルの指揮官から目が離せそうもない。