〝伝統芸〟は継承されるのか――。巨人の阿部慎之助監督(44)が1月31日に春季キャンプ地の宮崎入りした。昨季まで2年連続のBクラスに沈み、チーム再建と4年ぶりのV奪回へ大きな期待と責任を背負う新指揮官。現役時代に輝かしい実績を残し、指導者としても経験を積み上げ、ついに船出するわけだが、その阿部監督を巡っては意外な部分でもチーム内から注目されている。

 気合十分だ。この日の宮崎は午前中から雨模様となったが、阿部監督は到着後の空港セレモニーで「今日はあいにくの天気ですけれども、僕の中では『うれし涙の雨』じゃないかなと勝手に1人で思っております」とあいさつしてファンを沸かせれば、宮崎神宮の参拝後には「身が引き締まる思い。一生忘れられない1日になると思います」と終始明るい表情だった。

 就任1年目を迎える新監督がどう振る舞い、屈辱にまみれたチームをいかに立て直していくのか。その手腕が問われる1年が始まるわけだが、周囲では阿部監督が見せる「表情」も関心事の一つとなっている。

「昨年までは原前監督がイベントのたびに見せる『顔芸』がキャンプの恒例行事でもありましたからね。あの〝伝統芸〟は周りを明るくしてくれましたし、阿部監督も継承するのかどうかはやっぱり気になっちゃいますよね」(チーム関係者)

 原前監督はキャンプ中の記念撮影の際には目を大きく見開いたり、おどけてみせたり…。特徴的かつあらゆるメディアの想像を超えるしぐさを披露して大きな話題を呼んできた。特に宮崎から2次キャンプ地の那覇入りした後に参拝する沖宮(おきのぐう)では、他の追随を許さぬサービス精神が爆発。獅子舞にかまれるシーンは毎年恒例の行事で、数々のインパクトを残してきた。

 阿部監督は宮崎神宮参拝後の記念撮影の場面でこそ神妙な面持ちだったが、表情の重要性は認識している様子だ。キャンプのテーマは「笑うアベには福来たる」。その〝ココロ〟を「ブスっとしているより笑っていたほうが僕らしいかなと思いますし。もちろんブスっとしている時もあるだろうけど、その時はちゃんとどうやったら勝てるかというのを考えている時だと思ってください」と明かした。

 監督となって初めて迎える春季キャンプでどのような表情を見せるのか。ちなみに昨年の沖宮では原前監督が獅子舞にかまれた直後に「俺? 俺はいいよ」と足早に去って行ったが…。前指揮官がつくり上げてきた〝歴史〟は継承されるのか、それとも――。