金満球団の明暗は、たった一つのトレードにも残酷なほど刻まれる。米メディア「ヘビー」は18日(日本時間19日)、レッドソックスが昨季途中にドジャースへ放出したジェームズ・ティッブス3世外野手(23)の急成長を取り上げ、「後悔している」と報じた。
3連覇を狙うドジャースは大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)らを擁し、18日(同19日)時点で48勝27敗のナ・リーグ西地区首位。一方のレッドソックスは29勝43敗でア・リーグ東地区最下位に沈む。両軍の差は戦力だけでなく、選手を見る目の差にも映る。
問題の取引は昨年7月31日(同8月1日)、昨夏のトレード期限間際に成立した。レッドソックスは先発補強を急ぎ、ダスティン・メイ投手(28)を獲得。その対価として、ティッブス3世とザック・エアハード外野手(23)を差し出した。
だがメイは半年でチームを去り、今季はカージナルスへ移籍。15日(同16日)のパドレス戦では1安打完封で復活を印象付けたとはいえ、その恩恵を受けているのはボストンではない。目先の穴埋めで将来の打力を手放し、しかも獲得した投手を残せなかったのだから、編成の杜撰さを問われても仕方がない。
痛いのは、放出した若手がそろって伸びていることだ。ティッブス3世はドジャース傘下3Aオクラホマシティーで今季ここまで打率2割9分7厘、20本塁打、61打点、OPS1.015。すでにパシフィックコースト・リーグで20号に到達し、左の長距離砲として存在感を強めている。
エアハードも同じく3Aで打率2割9分、11本塁打、53打点、OPS.887と好調。ヘビーはMLBパイプラインの寸評も引用し、ティッブス3世がレッドソックス時代に打球速度を重視する指導で本来のスイングを崩した一方、ドジャース移籍後に調子を取り戻したとの見方を紹介している。
これは単なる一件の失敗談にとどまらない。ドジャースは即戦力を放出しながら、近未来の主砲候補とトレード要員の両にらみとなる有望株を確保した。大谷、山本、フリーマン、ベッツらスターを抱えながら、下からも次の波を作るから王朝が揺らがない。
対照的に、レッドソックスは大型補強にも育成にも一貫性を欠き、低迷の理由を自ら証明してしまった格好だ。今になって「ティッブスを出すべきではなかった」と嘆いても遅い。3連覇を見据える王者に、未来まで差し出した代償はあまりにも重い。












