豪華絢爛な戦力表は、10月の勝利を予約する保証書ではない――。米経済誌「フォーブス」は4日(日本時間同日)、ドジャースがタリク・スクバル投手(29)をタイガースから獲得しても、ワールドシリーズ3連覇は確定していないと分析した。2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた左腕まで加わり、「もはや無敵」との見方が広がる中、同誌は数字と直近の結果で、その熱狂に冷水を浴びせた。

 その証拠が、7月31日から8月2日(同8月1~3日)にドジャースタジアムで行われたレッドソックス3連戦だ。ドジャースは最終戦も4―8で敗れ、ボストンに3連戦を落とした。本拠地では約1か月の間にダイヤモンドバックス、レッドソックスと2度もスイープ負け。新加入のスクバルが見守る前で、攻略余地があることをさらけ出した。

 ロバーツ監督は最終戦前、「いいプレーをしなければならない。野球は野球だ。試合をしなければならない」と語っていた。その直後の3連敗は、戦力の総量と短期決戦の勝敗が一致しない現実を裏付けた格好だ。

 数字も「3連覇確実」とは告げていない。米データサイト「ファングラフス」によると、ドジャースのナ・リーグ西地区優勝確率は99・9%。スクバル加入後のワールドシリーズ制覇確率も29・1%まで跳ね上がった。突出した本命には違いないが、裏返せば優勝できない確率は70・9%も残る。最有力と無敵は別物なのである。

 同誌は、2年連続世界一も圧勝の積み重ねではなかったと強調した。昨秋のワールドシリーズでは、スミスの走塁が1インチ届かなければ、パヘスの好捕が1フィート遅れていれば、ブルージェイズに王座を奪われた可能性があった。2024年のヤンキースとの第5戦でも、0―5から相手守備の乱れに乗じて一挙5点を奪った1イニングが流れを変えた。同誌は記事内で「王朝は何度も紙一重で守られてきた」と指摘している。

 資金力が順位を自動的に買えるわけでもない。3日朝(同4日)時点でメジャー最高成績だったのは、年俸総額20位のブルワーズ。同球団の世界一確率は8・6%、レイズは6・5%だった。両球団は残り2~3か月の〝レンタル〟となるスクバルのために有望株を差し出す賭けを避けたが、ドジャースは勝負に出た。将来資産を切る度胸と編成力が優勝確率を押し上げた。

 それでも、大谷ら球界屈指のスターを並べ、スクバルまで手にしても、10月を無傷で通過できる保証はない。ドジャースは最も「必然」に近い球団でも「無敵」ではない。レッドソックスの敵地スイープは、その境界線を鮮明に映し出した格好と言えそうだ。