祝福ムードの裏で、地元紙の視線は容赦なかった。ドジャース・大谷翔平投手(31)は19日(日本時間20日)、真美子夫人との間に第2子が誕生したため、本拠地ドジャースタジアムでのオリオールズ戦を欠場した。日米のメディアが相次いで伝え、球界は祝福ムード一色。だが、その温かな空気とは対照的に、地元メディアからは大谷にとって少々ショッキングな見立ても飛び出した。

 米地元紙「カリフォルニア・ポスト」は20日(日本時間同日)、ジャック・ハリス、ディラン・ヘルナンデス両記者によるMLBパワーランキングと賞レース予想を掲載した。ドジャースは49勝27敗で全30球団トップに返り咲いた。スネル、グラスノーに加え、スミス、テオスカー・ヘルナンデスを欠く苦境でも勝ち続ける層の厚さを評価された形だ。同紙は、これだけ主力が抜けても勝率を落とさない現実が、周囲の〝ドジャースが野球を壊している〟という批判をかわす材料にもなると皮肉交じりに指摘した。

「投手・大谷」の最大のライバルとなるブルワーズの右腕ミジオロウスキー(ロイター)
「投手・大谷」の最大のライバルとなるブルワーズの右腕ミジオロウスキー(ロイター)

 ただし、大谷個人への評価は甘くなかった。投手として本格復帰した今季、サイ・ヤング賞は本人にとっても無視できない勲章のはずだが、同紙のナ・リーグ同賞予想で最上位に置かれたのは、ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー投手(24)だった。8勝3敗、防御率1・45、93回、138奪三振、WHIP0・75。圧巻の数字を並べる剛腕は、ブレーブス戦で敗れながらも6回2失点、7奪三振。101マイル(約163キロ)超の球を47球も投じ、スタットキャスト導入後の1試合最多記録をつくったという。

 しかも同紙は、ミジオロウスキーがメジャー奪三振ランキングで2位に22個差をつけ、今年の球宴ではナ・リーグの先発を務める可能性まであると持ち上げた。地元びいきになってもおかしくない2人の敏腕記者が、あえて大谷を本命に据えなかった意味は重い。

 チームは首位、大谷家には吉報。それでも投手タイトルの頂だけは、祝福ムードだけでは届かない。二刀流の看板を背負う大谷にとって、ここからの登板は家族への喜びと同時に、サイ・ヤング賞戦線で巻き返すための厳しい査定の場にもなりそうだ。