補強の鐘は鳴りやんでいない――。ヤンキースに、期限後の〝緊急処方せん〟が突きつけられた。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は5日(日本時間同日)、マリナーズから4日(同5日)に放出されたミッチ・ガーバー捕手(35)の獲得をヤンキースに異例の進言。トレード期限で捕手を補強しなかったことを「大きな見落とし」と断じた。

 ヤンキースは2日(同3日)、ナショナルズからルイス・ガルシア・ジュニア内野手(26)を投手4人との交換で獲得し、打線を強化した。一方、捕手は左打ちのオースティン・ウェルズ捕手(27)と右打ちのアリ・サンチェス捕手(29)の体制を維持。4日終了時点で64勝50敗としながら、ア・リーグ東地区首位のレイズには3・5ゲーム差をつけられており、同誌は弱点を放置した代償が終盤戦で響きかねないとみている。

 トレード期限は過ぎても、自由契約選手との契約まで禁じられるわけではない。そこで白羽の矢を立てたのが、行き場を失ったベテランだ。ガーバーは2017年にツインズでメジャーデビューし、レンジャーズを経て24年にマリナーズ入り。19年には捕手部門のシルバースラッガー賞にも輝いた実績を持つ。

 今季は50試合で打率1割7分5厘、4本塁打、15打点、OPSプラス73と低迷したが、本拠地では打率1割5厘、wRCプラス43だったのに対し、敵地では2割3分2厘、同112。打者泣かせのTモバイル・パークを離れれば、打球の質を結果につなげられる余地があると分析した。

 また、1打席当たりに投手へ投げさせた球数は4・24球で、メジャー平均の3・87球を上回る。左投手に対するOPSも6割5分9厘で、ウェルズとの左右の併用策に適するとした。23年にはレンジャーズの世界一に貢献し、地区シリーズ第2戦で満塁弾、リーグ優勝決定シリーズ第6戦でも本塁打。短期決戦の修羅場を知る経験値も魅力だ。

 ヤンキースは7月末にクリスチャン・ベサンコート捕手(34)とマイナー契約を結んでいるが、前出のON SIは「ガーバーに賭けない理由はない」と主張。首位追撃へ、期限後の〝拾い物〟が最後のピースになる可能性を訴えた。