陰からそっと見守って――。巨人・長野久義外野手(39)が宮崎で行われている一軍合同自主トレで黙々と汗を流している。ついにチーム最年長となったチョーさんだが、仲間思いの目配りや気配りは健在。2月1日から始まるプロ15年目の春季キャンプを前に、後輩ナインに〝親心〟ものぞかせていた。

 キャンプに先駆けて行われている29日の合同自主トレで、長野はキャッチボールや打撃練習などを行った。ティー打撃では約5メートル先に置いた白球を目掛けて打ち込む〝的当て式〟。遊び心も取り入れた練習方法ながら巧みなバットコントロールは相変わらずで、何度も白球に当てて周囲を驚かせてみせた。

 昨季のチームからは中島(現中日)が離れ、年齢的には長野が最年長となった。表立って大きなアクションこそ起こさないものの、周囲を思いやるスタンスは変わらない。

 この日はドラフト1位ルーキー・西舘勇陽投手(21=中大)がブルペン入り。すると、長野は投球をネット裏から見守り、右腕が力強い直球を投じるたびに強くうなずいた。当の長野は「(西舘の投球は)見てないですよ。気のせいじゃないですか?」と〝チョーさん節〟でヒラリとかわしたが、西舘本人は「(長野が)視界に入っていたので見られているな、とは分かっていました」と照れ笑いを浮かべた。

 そんな長野は人知れず悩める後輩にも救いの手も差し伸べていた。それはプロ2年目を迎えた萩尾が1月に行う自主トレをどうするか、考えを巡らせていた時のことだった。同じ外野手でもある大先輩の長野に打ち明けたところ…。

「長野さんに自主トレについていろいろと相談させてもらった中で『一緒に山にこもるか?』とも言っていただいて…(笑い)。今回は実現できなかったんですが、とてもうれしかったですし、来年は一緒にできるくらい成長できたらと思います」(萩尾)

 長野は例年、オフに「山ごもり」と称して極秘トレを行っているが、受け入れ態勢を整えようとしてくれたのだという。普段はひょうひょうとした立ち振る舞いでつかみどころのなさそうな背番号7だが、裏では〝ナインの父〟のような存在になりつつあるようだ。