パ・リーグ最下位に低迷する楽天が前ロッテ監督の吉井理人監督(61)を新たな指揮官に迎え、新体制で19日からのリーグ戦に臨む。三木前監督の休養、塩川ヘッドコーチの監督代行からわずか1週間で新監督を外部から招へいした異例の人事について、本紙専属評論家の伊原春樹氏が一刀両断した。

【新鬼の手帳・伊原春樹】まさかまさかだった。成績不振の責任を取らされて三木前監督が休養となる結末はある程度考えられた。しかし、シーズン途中に新しい監督を持ってくることは予想しておらず大変驚いた。

 細かい条件面は分からないにせよ、今のチーム状況で新監督になることは火中の栗を拾うようなもの。楽天の監督は誰もやりたがらないが、吉井ほどの人間がオファーを引き受けるとは正直予想すらしなかった。

 そもそもの話をすれば、今回のような事態になった後に監督を務めるべきは石井GMだ。かつての西武では松井稼頭央が不振により監督を休養した後、当時GMだったナベQ(渡辺久信氏)が責任を持って監督代行を務めあげた。本来のあるべき姿はそうでなくちゃいけない。

 石井GMはそれ以上に編成の責任者としての役割があるのかもしれない。三木谷オーナーとの仲もあるから自由にできないのかもしれない。いずれにしても、これまでの一連の流れを見ていても、三木谷オーナーが監督の重さというものを全く分かっていないように感じられる。大物OBを監督に据えるとなかなか意見を通せないからか、物申しやすいネームバリューのない人材を登用しては、今回のように簡単にクビを切ってしまう。

 私だけでなく、誰が見ても「楽天はそういう球団なんだ」と思ってしまうだろう。そんなポジションなど有能な人間は誰もやりたがらない。楽天が毎年毎年バタバタしてしまうのも、優勝から遠ざかってしまうのもすべてこの悪循環によるもの。このあしき構造を変えられない限り、今後も楽天が優勝争いをすることはかなり厳しいと考える。

(本紙専属評論家)