新監督ながら、存在感が際立っていた。ソフトバンクの小久保裕紀監督(52)が16日、東京都内で行われた12球団監督会議に出席。自由闊達に問題提起するフリートークの時間に活発に意見し、座長を務めた阪神・岡田監督の「不自然な行き過ぎたあいさつ」是正に強く賛同した。

 一気に言葉は熱を帯びていた。「(試合中の)審判に対する過度なあいさつ、あれはファンからもよくないみたいな意見も出ていたんで、そういうのは各球団で選手に促しながら。自然の感じならいいけど。今みんなしますよね、相手の一塁コーチ、三塁コーチとかに。あれはあんまり美しいものではない。『気になる』と岡田監督が言われていたが、まさにその通り」。かねて鷹の将も「違和感ありありなんで」と腹に据えかねていた。

 岡田監督はプレーボール後のやりとりを主に指摘したが、小久保監督はより強硬に〝真剣勝負の空間づくり〟を訴えた。「ゲーム始まる前も俺はいらんと思うけど。(同じ)大学、同郷も3連戦の初戦にあいさつすればいい。普通です、そんなこと。今の普通は逆なんでしょうけど…」。丁寧な姿勢にもメリハリが大事。プロ野球という〝戦場〟で交わされるコミュニケーションが軽々に映れば、真剣勝負の雰囲気をそぎかねない。そもそも受け手側に〝表面的な丁寧さ〟と受け取られるなら本末転倒だ。かねて抱いていた違和感を野球界のトップ同士で共有した。

 どこか古風な印象が先行しがちな小久保監督だが、球団内では先進派として有名だ。「最新鋭トレーニング、データサイエンスにとりわけ積極的」と、チーム関係者は口をそろえる。この日の会議では、タブレット端末のベンチ内への持ち込みを提案。指揮官は「MLBでは大谷翔平選手が常に打席のチェックをしているじゃないですか」と、これ以上ない活用例を示して議論を促した。もちろん通信機器の悪用を防ぐ環境整備は必要だ。だが、ネガティブな発想に捉われすぎる と改革は進まない。競技力向上、球界の発展を願い、ポジティブな発想を前面に打ち出した。

「すべては強いチームをつくるためであり、いい選手を育てるのは、今日ここにきている人たちの共通のこと」とも語った小久保監督。応援される野球界、憧れられる選手であってほしい――。どの監督よりもストロングスタイルだった理由が、そこにはあった。