温かいエールで送り出した。ソフトバンクの小久保裕紀監督(52)が14日、FA加入した山川の人的補償で西武に移籍が決まった甲斐野央投手(27)について初言及。「基本、人生は必然、必要、ベストなタイミングで起こる」と自らの経験も踏まえた小久保節で、新天地での成功を願った。

 自らの意志ではない移籍。小久保監督も現役時代に巨人への無償トレードを経験。「野球人生で考えたらジャイアンツの3年間は大きかった。あれがないと今の立場も侍(ジャパン監督)もないだろうから。いい3年間だった」。幾多の苦境で、気持ちをふるい立たせて進んできた。「人生観ですよ。人それぞれの。だって、変えられない。悩んだってね」。数年後、今回の移籍が甲斐野の野球人生を彩る転機となることを切に望んだ。

 甲斐野はチームを明るくする希少なキャラクターだった。「電話もきた。あのキャラクターなんですぐに溶け込めると思うし、いいムードメーカーになると思う。敵だけど、いち野球人として応援してます」。昨季中盤から安定した投球を見せ、今季も勝ちパターンを期待していた。「ずっといい形でやっていたんで、間違いなく勝ちゲームには出てくることになると思う」と、獅子に加わる難敵を警戒した。

 この日は、生まれ故郷の和歌山市内で行われた地元後援会が主催する激励会に参加。一軍ヘッドコーチ、二軍監督を歴任して、満を持しての一軍監督への就任。「今の子たちとの距離感が何よりも大切だということを学んだ。一軍ヘッドの時は少々厳しすぎて選手から総スカンを食らった。二軍監督時代にその距離感を課題にしながら接してきた。いい2年間をいただいた」と、意味ある3年間はまさに必然だったと強調した。

 大ケガや挫折、青天の霹靂とも言うべき他者が経験し得ない波瀾万丈の野球人生を歩んできた小久保監督。請われて新天地へ渡る27歳右腕に、きっと響くであろうメッセージだった。