今江敏晃新監督(40)のもと、11年ぶりのリーグ優勝を狙う楽天が「静かなオフ」を送っている。

 2023年シーズン終了後の11月上旬にチームの絶対的守護神・松井裕樹投手(28)が海外FA権を行使。米メジャー移籍を宣言すると、同月末には中継ぎのエース格だった安楽智大投手(27)が同僚へのパワハラ行為により自由契約を余儀なくされた。この大幅戦力ダウンにも関わらず、チームは現時点でその穴を埋める動きはない。

 強いて「補強」を挙げるとすればドラフトでの新戦力獲得と日本ハムを戦力外となった山田遥楓内野手(27)と育成契約を結んだぐらい。頼みの新外国人選手もいまだ獲得発表がないのだから、地元メディアやファンからは早くも「大丈夫か」という不安と落胆の声ばかり。球団関係者からも「親会社の経営がかんばしくないですし、いろいろな問題がありましたから。正直なところ厳しいかもしれません」と弱音が漏れているのだから事態は深刻なのだろう。

 となれば、必然的に2024年シーズンの楽天は「期待薄」と思われがちだが、ある球団OBの一人は「むしろチームにとっては千載一遇のチャンスになる可能性もある」と前向きにこう続ける。

「確かに今の楽天は親会社の経営難や松井裕のFA移籍、安楽の問題などでどん底かもしれません。ただ、その陰で荘司や内ら若手投手は着実に成長していますし、野手陣も村林を筆頭に若手が頭角を現してきています。仮にこうした若手が来シーズンさらに飛躍を遂げられればチームはそこそこの成績を残せる可能性はあります。それに、これだけ戦力ダウンしても大きな補強がないわけですから今江新監督にも重圧はかからない。それどころか来季は『育成の年』と割り切って若手を中心とした大胆な選手起用もできるはず。チームの数年後を見据えれば悪いことばかりではない。むしろFA補強に頼り過ぎていたチーム運営を見直す絶好の年になるかもしれません」

 今オフの「ストーブリーグ」完敗で下馬評は限りなく低い楽天だが…。周囲の期待をいい意味で裏切る躍進はあるのか。