〝安楽ショック〟が海を越えた。同僚選手に対して行った暴行やパワハラ行為が発覚して楽天を自由契約となった安楽智大投手(27)。球界だけでなく日本社会全体を巻き込んだ衝撃のニュースとなったが、その知らせは隣国・台湾にまで届いていた。

 日本球界への関心も高くNPBに関するニュースも頻繁に報じられている台湾では、安楽の「パワハラ疑惑」も連日報道。現地メディアの記者によると「安楽選手は済美高校時代から台湾でも有名で、知名度のある選手の1人でもありました。今回の事件に関してもファンの関心は高く、大きなニュースとなりました」と指摘する。

 台湾側からも大きな関心を寄せられている安楽の動向に対し、日本国内から「安楽は心機一転、台湾球界に移籍してみたらどうか」などと「台湾移籍策」を推す声が、ファンのみならず球界OBなどからも出ている。新天地で再起を図ることができれば…という狙いだろうが、現実は厳しそうだ。

 前出の記者は「今の台湾球界(CPBL)は日本球界以上に不祥事に厳しいんです。不正行為が確認されると容赦なくクビにされます」ときっぱり。

 CPBLの公式規約では第94条に「不正行為」に関する条項があり「外国人球団職員が犯罪、重大な規律違反、賭博行為、喧嘩(けんか)その他プロ野球の健全なイメージを損なう不正行為があった場合において、リーグがその事実を確認した場合、それが真実であればチームは直ちに雇用を停止しなければならない」と明記されている。

 仮に安楽が台湾球界への移籍を画策した際にも明確なプロセスが必要とされ、既にCPBLは安楽移籍に関する公式な声明を発表。「台湾と日本のプロ野球球団の間には選手協定があり、契約の際には日本の球団を通じて当該選手の関連事案を確認し、重大な規律違反があった場合はCPBL6球団の代表者会議で審査し、参入同意の確認を必要とする」としている。

 つまりは台湾球界による身辺調査は相当厳しく、移籍の壁は限りなく高いということ。さらに壁は一つだけではない。

「安楽選手はいい投手であることは間違いないのですが、助っ人枠を使ってまで獲得する選手かと言われると、難しいところではある。現状では獲得に動く球団はないのでは」(前出記者)

「身辺調査」と「助っ人枠」――。この二つをクリアできない限り、安楽が台湾へ渡る可能性は限りなく低そうだ。