悲痛な声を上げているのは楽天の後輩たちだけではない――。楽天・安楽智大投手(27)が複数の同僚選手にハラスメント行為を働いていた疑惑が浮上し、球界内外に大きな波紋を広げている。今江敏晃新監督(40)の下で再始動したばかりのチームから飛び出した元ドラ1のパワハラ騒動。ファンから怒りの声も飛び交う中、思わぬところからも“クレーム”がついている。

 現役プロ野球選手に浮上したハラスメント疑惑が広がりをみせている。選手や関係者らの話から安楽はロッカールーム内で若手選手の下着を脱がせて下半身を露出させたり、食事の誘いを断った後輩に対して深夜にしつこく電話をかけるなどの陰湿な行為を行っていたという。球団側も事態を重く受け止めており、25日に予定されていた安楽との来季契約交渉を無期限延期。場合によっては保留者名簿から外し、自由契約とすることも辞さない構えをみせている。

 球団では事実関係などに関するヒアリング調査が進められるが、一連の安楽の疑惑には「球団外」からも怒りの声が上がっている。それは母校の愛媛・済美高のOBたちだ。ある元野球部員はこう憤る。

「安楽の在籍時には後輩たちへカメムシを食べるよう強要するなどの強烈ないじめ問題が明るみに出て、高野連から翌年の甲子園まで出場禁止の処分が下されました。それ以降、外部からは『カメムシの…』とやゆされるようになっていた中で、OB芸人のティモンディの2人が活躍したことでようやく済美のダークなイメージが払拭されてきたというのに…。それもすべて水の泡ですよ」

 済美高で起きた「いじめ」が大問題となったのは安楽が在学した3年時の2014年だった。野球部の複数の1年生部員が2年生の部員からカメムシを食べたり、灯油を飲むように強要される行為があったことが発覚。調査の中で主将だった安楽は当事者に含まれなかったものの、自身のU18アジア選手権高校日本代表選出も見送られた。

 その後、同校野球部出身のお笑いコンビ「ティモンディ」がお茶の間の人気者となり、当時のダーティーなイメージは確実に風化されつつあったが、今回の安楽のパワハラ騒動で再び「負の歴史」が掘り起こされてしまっている。

 イメージの悪化だけにとどまる話ではない。またもや“負のレッテル”を貼られることは、未来ある若者たちにとって切実な問題に発展することも危惧されている。

 前出OBは「就職活動している卒業生たちは、企業から『悪質ないじめをするヤツら』という好奇の目で見られる可能性だってある。後輩たちからしたら、たまったもんじゃないですよ」と語気を強めた。

 もちろん、疑惑の詳細や全容の解明はまだなされていない。しかし、すでに被害を訴える後輩選手だけでなく球団や他のチームメート、さらには母校の生徒たちにまで暗い影を落としつつある。今回の「安楽問題」の余波はまだまだ収まりそうにない。