ユニコーンはやはり最強だった。ドジャース・大谷翔平投手(31)が強豪ぞろいのMLBで対戦相手のメンタルまで打ち砕いていたことが判明した。証言したのは現役の元MVP選手で、大谷への称賛を超えて「もうどうしようもない」と諦めの境地に達してしまったという。アスリートにとって技術とともに精神力の強さは欠かせないものなのだが…。
見慣れつつある大谷の日常はやはり普通ではなかった。今年は2シーズンぶりに開幕から投打二刀流で臨み、ナ・リーグの投手部門で3、4月の月間最優秀選手賞にも選出された。2018年からメジャーの舞台に身を置いて今季で9年目。すでに数々の偉業を成し遂げてきたが、大谷が秘める〝破壊力〟は想像を絶するものだった。
昨年のナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)でドジャースに敗退したブルワーズのクリスチャン・イエリチ外野手(34)が、米ポッドキャスト番組「The Old Man and the Three」の中でこう明かしている。
「普通、プレーオフで敗退するとなると、もちろん落ち込むものだけど、僕らはNLCSの第4戦で彼一人に負けたんだ。それで、つい『その前の3年のうちに1年くらい勝っておけばよかった』『ああ、もうどうしようもないな』と思ってしまったんだ。そんな歴史的な試合を最前列で見られるなんて、特にポストシーズンでは二度と見られないかもしれないからね」
ブルワーズが引導を渡されたのは昨年10月17日(日本時間18日)の一戦だった。大谷は「1番・投手兼DH」で先発出場し、打者として3本塁打を放ち、投手としては7回途中無失点、10奪三振という離れ業をやってのけた。MLB機構には年間最高の名場面を称賛する「レジェンダリー・モーメント」に選ばれたが、相手選手の戦意まで喪失させていたとは驚きだ。
プロの第一線で活躍し続ける上で求められるのは技術とメンタルの両立。どちらも欠くことはできないが、NPBで監督経験もある球界OBは「真剣勝負の世界では、まず相手を上回る気持ちの強さがなければ勝てない。いつの時代も気迫や根性といったものは必要」と力説する。
強い精神力があった上で技術の勝負というわけだが、18年のシーズンMVPに輝いたイエリチですら、大谷のあまりのすさまじさに悔しさもこみ上げてこなかったという。それだけに「彼は化け物だよ。(投打の)どちらかだけなら、その分野で本当に優秀だっただろうけど、両方の分野で間違いなく最高レベルだなんて信じられないでしょ? それに彼は身体能力も異常なほど高い」と笑うしかなかった。
イエリチの言葉に、米メディア「クラッチ・ポインツ」は9日(同10日)に「MLBでのキャリアが10年近くに及ぶと、大谷翔平を当たり前の存在として見過ごしがち」「MLBの歴史で、彼のプレーがいかに類まれなものであるかを忘れてしまいがちだ」とある種の警鐘を鳴らした。
圧倒的な実力で相手から戦う気力も奪い取る〝破壊王〟大谷。3年連続の頂点へ、電車道はまだまだ続く。













